第41話

第40話 藍花side
2,170
2020/02/03 12:22
璃夢のTwitterが炎上して1週間が経過した、今日。
この1週間、1日の半分以上パソコンの前で犯人の
アカウントを探し続けた私は、ようやく辿り着いた。
藍花
藍花
見つけた...!この子だ。
バレてないと思ってやり放題だなぁ
好き勝手に色々言った報いを、必ず受けて貰う為。
とりあえず赤峰くんに連絡をする。
藍花
藍花
(出ない.....)
何をしているんだろうか、
とうとう2人の身に何か起こったのか。
そんな焦りと不安が最高潮に達した頃。
藍花
藍花
(繋がった...!)
呼び出し音が途絶え、電話が繋がる。
藍花
藍花
赤峰くん!?出るの遅い!
璃夢のTwitterを炎上させた犯人の
アカウント、特定出来たの!
少しでも早く伝えたくて、一息でそう言うと。
莉玖
莉玖
...嘘。マジ?本当に?
信じられないと言う声色。
もう希望は見えた。
藍花
藍花
本当。これで璃夢を助けられるよ
莉玖
莉玖
ーうん.....!
藍花
藍花
ほら、こんな良い知らせなんだから。
赤峰くんから伝えてあげなよ
きっと璃夢喜ぶから、と促す。
莉玖
莉玖
えっ!?い、いや.....椎名さんから
伝えてくれて大丈夫だよ?
途端に遠慮がちになる赤峰くん。
藍花
藍花
なーに言ってんの!
いつもあんなに譲らない癖にww
こういうのこそ自分の口から言うものだと伝えても、
彼の歯切れは悪くなって行く一方だ。
莉玖
莉玖
で、でもさ?俺今回何もしてないし...
この辺りで、勘づき始めていた。
藍花
藍花
(もしかして赤峰くん。
璃夢と何かあった?)
普段の赤峰くんなら、こんな所で迷ったりしない。
自分が伝えたいと言うはずなのに。
藍花
藍花
(...やっぱりおかしい。聞こう)
拭い取れない違和感を、否定して欲しくて。
藍花
藍花
ねぇ赤峰くん。璃夢と何かあったの?
そう、問いかけてみたけれど。
莉玖
莉玖
...........................
私の願い通り、彼が秒で否定してくる事は無くて。
むしろ『肯定』を意味する無言が、
電話の向こうで続いている。
藍花
藍花
本当に何かあったんだ....何?早く言って
理由も分からないままでは何も言う事が出来ない。
ようやく聞こえた赤峰くんの声は、震えていて。
莉玖
莉玖
ー.......それが
藍花
藍花
.......うん
莉玖
莉玖
さっき璃夢と...別れようって言われて。
別れた.....
次の瞬間。私は驚きのあまり、スマホを耳から離す。
藍花
藍花
ー.......は?
別、、れた?
誰よりも赤峰くんを想っていたあの璃夢が、
別れようと言った?
藍花
藍花
ちょっと待って.....冗談、では無いの?
信じられなくて、信じがたい。
莉玖
莉玖
ーうん。...俺も...最初は何言われたか
分からなかった
けれど。何度聞いても赤峰くんの返答は変わらない。
藍花
藍花
(きっと、璃夢の中で別れるほどの
理由が出来たんだ)
璃夢は...1人で全て背負い込んで、
成し遂げようとしている...そんな予感がした。
藍花
藍花
赤峰くん、今すぐ璃夢を追って
そんな事、できる訳が無いのに。
莉玖
莉玖
えっ.....でも、、かなり前に教室から
出ちゃってて...
取り返しがつかなくなる前に。
藍花
藍花
それでも良い。さっさと探し出して!
じゃないと.....
間に合わなくなってしまうから。
莉玖
莉玖
わ、分かった。すぐ探す
用意をしている音が聞こえる。
藍花
藍花
私も家の近くから探し始めて見る。
見つかったら連絡し合おう
私も上着を羽織りながら会話をして。
莉玖
莉玖
椎名さん、、なんかごめん。
よろしくお願いします、また後で
申し訳なさそうな声を出す赤峰くんに、
大丈夫と伝えて。
藍花
藍花
ううん、大丈夫。早く見つけよう
電話が切れた途端、家を飛び出した。

プリ小説オーディオドラマ