第36話

第35話
2,219
2020/01/25 11:17
璃夢
璃夢
ー何、これ
いつも通りの時間に起床。スマホを見てから
準備を始めようとした私の目に飛び込んで来た、
ものすごい数のTwitterからの通知。
何か起きた。そう察して、震える手でTwitterを開く。
『コラボ放送始めたの莉犬くん狙ってたからなんだ』
『ありえない。見損なった』
『結局の所むぅも恋愛したかっだけなんだね』
そのどれもコメントが、最後はこう終わっていた。
璃夢
璃夢
もう、リスナーやめる...
突きつけられたリスナーの皆からの怒り。
璃夢
璃夢
分かってた、分かってたよ
いつかはこうなる気がしていた。
璃夢
璃夢
でも。もう少しだけ...
この恋を、この幸せを。抱きしめていたかった。
ーその時。
スマホへの着信。
璃夢
璃夢
りっくんからだ......
きっと彼も炎上した私のTwitterを見たのだろう。
璃夢
璃夢
今は...正直...話したくない
誰かと話したい気分では無いけれど。
璃夢
璃夢
心配されないようにしないと。出よう
声が震えないように、力を込めて。
耳にスマホを当てる。
璃夢
璃夢
もしもし、りっ...
莉玖
莉玖
璃夢!!大丈夫!?
彼の名前を呼び切る前に、焦りの混じった彼の声が、
私の名前を呼んだ。
璃夢
璃夢
うん。大丈夫だよ
そんなに焦らないでと笑ってみせたけど。
莉玖
莉玖
大丈夫じゃ無いよね。今から家行くから
彼をそんな簡単に騙そうなんて甘くて。
璃夢
璃夢
えっ!ええ!?りっくん!?
莉玖
莉玖
すぐ行くから待ってて
プツッ。ツー。ツー。ツー...
制止しようと声を上げたけど、その時にはもう電話は
切れていた。
璃夢
璃夢
切れた...本当にどうしよう
着替えるだけ着替えようと慌ただしく動き出す。
ー10分後。
ピンポーン。
璃夢
璃夢
ほ、本当に来た...しかも早い
急いで玄関に向かい、扉を開ける。
璃夢
璃夢
おはよう...っ...
息を切らして。肩を上下させて。
莉玖
莉玖
璃夢.....ごめん、突然...
膝に手をついたままこちらを見る彼がいた。
璃夢
璃夢
(凄く走って来てたんだ)
それを見て。申し訳なさと、会いたくないなんて
一瞬でも思ってしまった自分への怒りが溢れ出す。
璃夢
璃夢
ううん。こちらこそ、
わざわざ来てくれてありがとう
彼が言いにくそうに本題に入った。
莉玖
莉玖
璃夢の為なら何だって出来るんだよw
それで、さ。Twitterの件なんだけど...
璃夢
璃夢
やっぱり、見てるよね
これ以上気を遣わせたくなかったのに。
璃夢
璃夢
(私は、いつもこうだ)
1人で全部やりきろうとして隠したのに。
結局やりきれなくなって。
璃夢
璃夢
(誰かの重りになる事しか出来ない)
情けなくて、俯く。
莉玖
莉玖
.......璃夢?大丈夫...?
璃夢
璃夢
ー大丈夫。学校行こうか
莉玖
莉玖
えっ!?今日は休んだ方が...
璃夢
璃夢
藍花も心配するし、
皆は私のこと知らないし。大丈夫だよ笑
今だけは弱々しい私にはならないと決めて、
歩き始めた。

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