第18話

第17話
3,018
2020/01/08 09:00
璃夢
璃夢
りっくん?どうしたの?
莉玖
莉玖
んー、なんか声聞きたくなって
璃夢
璃夢
...!そ、そっか
電話なんて初めてだな、と思いながら返事をする。
人が恥ずかしくなりそうな事を平気で言うから
困ったものだ。
莉玖
莉玖
...緊張してる?ww
璃夢
璃夢
べっ、別...に?
電話の向こうの声はいつもよりからかうような色が
こもっていて。
莉玖
莉玖
じゃあそういう事にしておこうかw
やけに、楽しそうで。
璃夢
璃夢
...なんか私が嘘ついてるみたい
つられて楽しくなる。
莉玖
莉玖
そういう意味では無いんだけど...ww
とりあえず!放送お疲れ様、
本番も頑張ろうね
璃夢
璃夢
もちろんだよ!全力尽くす!
リスナーの皆を喜ばせるのが私達の仕事だと
声に力を込めて言うと、彼は笑った。
莉玖
莉玖
璃夢らしいwwやる気十分だね
璃夢
璃夢
歌い手の仕事は天職だと思ってるから
不思議だな。
莉玖
莉玖
ああ。分かるかも。俺もそうだから
璃夢
璃夢
りっくんいつも楽しそうに
やってるもんね
莉玖
莉玖
それは璃夢もでしょww
璃夢
璃夢
あ、そうだった笑
電話の向こうにいる彼の表情が手に取るように
分かる。
莉玖
莉玖
璃夢って時々抜けてるよねww
璃夢
璃夢
それどういう意味ですかー
莉玖
莉玖
可愛いなあって
璃夢
璃夢
へっ!?かわ...!
莉玖
莉玖
めっちゃパニクってるwww
きっと私が大好きなあの笑顔を今も浮かべているの
だろう。
璃夢
璃夢
笑いすぎ!からかわないでよ!
莉玖
莉玖
だって楽しいんだもん
璃夢
璃夢
だってじゃない笑笑
ほら、明日も早いし。そろそろ切るよー
莉玖
莉玖
そだね...ちょっと...眠いかも
気がつくと机の上の時計が23時半を指していて。
通話時間は2時間を超えていた。
璃夢
璃夢
(時間経つの本当に早かったな...)
じゃあ、また明日!
莉玖
莉玖
あ、待って璃夢
璃夢
璃夢
ん?
眠そうな彼におやすみを言って
通話を終えようとすると、呼び止められて。
莉玖
莉玖
大好きだよ。おやすみ
刺激強めのセリフが耳元で聞こえたけど、
こんなのずるいと思う。
璃夢
璃夢
...っ、ありがと。おやすみなさい////
寝れなくなってしまうじゃないか。
璃夢
璃夢
(天然なの!?反則!)
...寝れる気しないけど、寝よ
少しの間悶絶してから電気を消して、
天井に視線を向けて、物思いにふける。
璃夢
璃夢
幸せ過ぎて、怖いな
大好きな人が傍にいてくれる幸せを。
恋という感情を知ってしまったから。
璃夢
璃夢
すごく、弱くなってる気がする
もう、以前の私には戻れない、と。
璃夢
璃夢
守ら...なきゃ、りっくんも...藍花も。
天職...も...
少しずつ眠気でぼんやりとして来て、
途切れ途切れになる意識の中。
何回目か分からないこの決意をまた口にして。
璃夢
璃夢
おやすみなさい...
今になってやって来た放送の疲れを感じながら、
眠りについた。

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