第72話

『初めての大ゲンカ......!?③』
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2020/07/03 15:00
勢いに任せて、色々な専門店をハシゴして居たら。
璃夢
璃夢
(良いのが見つかって良かった。
取り寄せがお店に届くの楽しみだなぁ...笑)
すっかり遅くなってしまって。
星が瞬き始めた夜空の下を、スピードを上げて歩く。
璃夢
璃夢
(...りっくん、ちゃんとご飯食べたかな)
家で待つ彼に、無性に会いたくなった。
.......................................。
慣れた足取りでマンションのロビーを通り抜けると。
乗り込んだエレベーターが部屋のある階まで、
あっという間に運んでくれる。
璃夢
璃夢
ただいまー!!
鍵を開けて元気よく呼びかければ。
『おかえりっ!』と可愛く笑う彼が、出てくるはずだった。
璃夢
璃夢
(.........あれ?)
...はず、なのに。
璃夢
璃夢
......りっくん?寝てるの...?
家の中は、やけに人の気配が無くて。
璃夢
璃夢
(...まさか、侵入者?襲われた?)
自分の立てる音だけが響く廊下を、そっと進む。
リビングのドアノブを掴んで、大きく深呼吸。
璃夢
璃夢
.......武器なにも持って無いけど...
勢い良く、開いて...固まる。
璃夢
璃夢
りっ、くん?
どうして部屋...暗くしてるの?
月明かりだけが照らすリビングのソファーに。
莉玖
莉玖
...............................
彼が俯くような形で座って居たから。
璃夢
璃夢
(......怒ってる?)
目が合わない、何も言ってくれない。
このままでは埒が明かないから。
璃夢
璃夢
ねぇ、どうし___))パンッ
近付いて、肩に触れようとした手は。
莉玖
莉玖
.....触ら、ないで
りっくんによって、払われてしまった。
璃夢
璃夢
............っ
そして。この時点でかなりのショックを受けた私に。
彼は、追い打ちを掛けるようにこう言ったのだ。
莉玖
莉玖
"デート"は、楽しかった?
僅かな蔑みと、大きな悲しみに満ちた瞳で私を睨み付けて。
拒絶するような、声で。
璃夢
璃夢
(待って、何か勘違いされてる)
璃夢
璃夢
違うよ、りっくん...それは...
誤解だと言おうとしても、話すら聞いて貰えず。
莉玖
莉玖
言い訳なんて聞きたくない!!!
莉玖
莉玖
出てって。璃夢と話す気、今は無いから
璃夢
璃夢
.........っ分かっ、た
2人で暮らす大好きな家を、追い出されてしまった。
璃夢
璃夢
どこに行こう......もう遅い時間だし...
とりあえず彼の希望通りマンションを出て。
行く宛も無く、街を彷徨う。
璃夢
璃夢
(もし...嫌われたとしたら)
思い出されるのは、さっきの彼の表情。
璃夢
璃夢
(責任、取らなきゃなのかな)
怒って居るのに、泣きそうだった。
璃夢
璃夢
(このまま、終わりなの?)
幸せにする、して貰うと、約束したのに。
隣に誰も居ない事が、やけに。
璃夢
璃夢
(ごめん、ごめんね...迷惑かけて...)
_____虚しかった。

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