_____水曜日
今日目が覚めたのは10時。
慌てて準備をし、外へ出ると大雨…。
昨日は雲ひとつ無いぐらい晴天だったのに。
まるで、私の心の中を映し出してるような
そんな気がした
横風に流される雨は私の体をどんどん冷やしていく
学校へ着くとお腹辺りから足元までビッチャリ
そのままの格好で教室へ
_____ガラガラッ
そういうと
先生「夢咲っ!!制服濡れとるやんか!」
先生「今日体育無いしな……誰か着替え持っとるやつ!」
素早く立ち上がったのは、
侑だった。
侑はジャージと部活で使う用のタオルを渡して来た
それだけ伝え、保健室で着替え教室へ
なんて言ってくるもんだから
って、フワッとジャージの袖で顔を隠す
そっぽ向かれた。
え?変態とか思われたかな?
時間は淡々と進んでいきお昼休み。
「宮先輩!お話があります!」
この声を聞く度にモヤッとする。
不安で怖くて。
でも、私たち二人の未来なんてなくて
つい、出来心で。
『なんやねん。飯の時間無くなるしはよしてや』
「あのっ、1年のあきねって言います。宮先輩の事ずっと好きやったんですっ!付きおうてください!」
盗み聞きなんて……最低だ…
『すまんな。俺彼女おんねん。』
シーーンと静かになる。
バックバクする心臓。
そして
『ッッ!!!何すんねんっ!!!!!』
侑の怒鳴り声と同時に
「キスぐらいええやないですかっ!!」
え……キス?
『お前みたいな雌豚嫌いやねん。はよ失せろや。』
ドスの効いた声。
そして大泣きしながら走っていく音。
モヤッとした気持ちを抱え、私は教室へ戻った
昼休みが終わると同時に侑が教室へ帰ってくる
不機嫌そうな侑。
と言うとふーんっと言われた。
私も不機嫌では無いけれど、いつもと態度が違うのが
自分でもわかる。
そしてそれが侑にも伝わるのだろう…。
ずっと不機嫌だった。
そして放課後
ムスッとした表情では無く、ジトッと見下ろす目。
そう言うと
はぁっ……と大きいため息を付かれ、教室から
出て行った。
私も帰ろうと重たい足をゆっくり、ゆっくり運んだ
『お!あなたちゃん?何フラフラしてるん?てか今日は帰るんやな!』
振り向くとそこにはアラン先輩
体調……?
そう言った途端……
グラッと揺れる視界に体がよろめく。
そう言うと
そう言って、アラン先輩は屈んで
渋々アラン先輩の背中に乗り…気付くと意識を
手放していた。
______________________________侑side
ほんま、なんやねんっ!!!
あなた今日昼から変やったし…
目が合えばすぐ逸らすし、何か言いたげやのに
なんも言わへん。
____バンッ
あなたの真っ直ぐ過ぎる性格が好きやったのに
なんか残念でしゃーない。
今日キスして来よった子の方が何十倍も素直やわ。
なんて冗談やけど。少なからずあなたからのアプローチは前より明らかに減っとる。
なんかつまらへん。
そう思った時やった。
_______バンッ
は?
あなたをベンチに降ろし北さんがおでこに手を当てる
サムは自分のタオルを片手に持ち部室から出て行った
俺は……俺は何すればええ……?
角名は冷静にそう言う。
サムが帰ってきて、タオルをあなたのおデコに
そして銀島が帰ってきたと思えば慌てている監督。
監督『親に電話するから侑!病院に電話し!』
監督『はよっ!!夢咲の彼氏やろ!!!』
しっかりしぃ!と何故か怒られ、病院に電話をする
稲荷崎高校って名前を出すと
「もしかして、夢咲あなたさんに何かありましたか?!」
って食い気味で聞いてきた…
「救急車そちらへ向かわせます!!」
ガチャガチャと大きい音を立て電話が切れた
なんで、そんな焦っとるん……?
救急車が着くと
「あなたちゃんっ…しっかり!」
「酸素マスク!酸素マスク!!」
なんで酸素マスクなん…?
なんであなたの事一瞬で分かったん……?
そして俺達はしっかりと聞こえてしまった。
____「あなたさん!死ぬんやないぞ!!」
死ぬってなんやねん……
余りにも重たい言葉に冷や汗が止まらんかった
▷▶︎▷▶︎NEXT
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。