第18話

Time limit.13
2,023
2021/01/31 15:39



_____水曜日








今日目が覚めたのは10時。




慌てて準備をし、外へ出ると大雨…。


昨日は雲ひとつ無いぐらい晴天だったのに。





まるで、私の心の中を映し出してるような


そんな気がした











横風に流される雨は私の体をどんどん冷やしていく



学校へ着くとお腹辺りから足元までビッチャリ





そのままの格好で教室へ



_____ガラガラッ



(なまえ)
あなた
すみません、また寝坊しちゃいましてっ



そういうと



先生「夢咲っ!!制服濡れとるやんか!」



(なまえ)
あなた
雨凄くて…



先生「今日体育無いしな……誰か着替え持っとるやつ!」




素早く立ち上がったのは、


宮侑
宮侑
俺持っとる!



侑だった。






侑はジャージと部活で使う用のタオルを渡して来た

宮侑
宮侑
風邪ひいてまうよ。はよ着替えて来ぃ
(なまえ)
あなた
侑、ありがとう!



それだけ伝え、保健室で着替え教室へ




宮侑
宮侑
ふっ、ブカブカやなっ


なんて言ってくるもんだから


(なまえ)
あなた
侑に包まれてるみたいっ



って、フワッとジャージの袖で顔を隠す
宮侑
宮侑
ッ……反則やっ。ドアホ……






そっぽ向かれた。


え?変態とか思われたかな?











時間は淡々と進んでいきお昼休み。




「宮先輩!お話があります!」






この声を聞く度にモヤッとする。








不安で怖くて。



でも、私たち二人の未来なんてなくて



つい、出来心で。





『なんやねん。飯の時間無くなるしはよしてや』



「あのっ、1年のあきねって言います。宮先輩の事ずっと好きやったんですっ!付きおうてください!」





盗み聞きなんて……最低だ…



『すまんな。俺彼女おんねん。』






シーーンと静かになる。












バックバクする心臓。




そして


『ッッ!!!何すんねんっ!!!!!』



侑の怒鳴り声と同時に


「キスぐらいええやないですかっ!!」




え……キス?



『お前みたいな雌豚嫌いやねん。はよ失せろや。』


ドスの効いた声。



そして大泣きしながら走っていく音。









モヤッとした気持ちを抱え、私は教室へ戻った

















昼休みが終わると同時に侑が教室へ帰ってくる




宮侑
宮侑
あなた、なんで体育館来なかったん?



不機嫌そうな侑。


(なまえ)
あなた
んーと……忘れてた…?



と言うとふーんっと言われた。










私も不機嫌では無いけれど、いつもと態度が違うのが

自分でもわかる。


そしてそれが侑にも伝わるのだろう…。


ずっと不機嫌だった。






そして放課後


宮侑
宮侑
さっきからなんなん。その態度


ムスッとした表情では無く、ジトッと見下ろす目。


(なまえ)
あなた
な、何もないっ。



そう言うと


宮侑
宮侑
素直なお前が好きやってんけどな。




はぁっ……と大きいため息を付かれ、教室から
出て行った。











私も帰ろうと重たい足をゆっくり、ゆっくり運んだ







『お!あなたちゃん?何フラフラしてるん?てか今日は帰るんやな!』


振り向くとそこにはアラン先輩



(なまえ)
あなた
あ、アラン先輩……
尾白アラン
尾白アラン
あなたちゃん体調悪いんか?!




体調……?


(なまえ)
あなた
いや、別に……
尾白アラン
尾白アラン
顔……真っ赤やで?!
(なまえ)
あなた
大丈夫ですよ?




そう言った途端……

グラッと揺れる視界に体がよろめく。



尾白アラン
尾白アラン
ッッ!熱あるんやないか?!
(なまえ)
あなた
い、いやっ、大丈夫ですっ



そう言うと


尾白アラン
尾白アラン
強がりはあかんで!



そう言って、アラン先輩は屈んで
尾白アラン
尾白アラン
ほれ、背中乗り!
(なまえ)
あなた
ほ、本当に大丈夫で
尾白アラン
尾白アラン
大丈夫やない!!!!



渋々アラン先輩の背中に乗り…気付くと意識を
手放していた。






______________________________侑side







ほんま、なんやねんっ!!!


あなた今日昼から変やったし…

目が合えばすぐ逸らすし、何か言いたげやのに

なんも言わへん。






____バンッ



北信介
北信介
もうちょい静かにドア開けや。
宮侑
宮侑
す、すんません…
宮治
宮治
なんや、ツム。今日は機嫌悪いんやな
宮侑
宮侑
うっさいわ




あなたの真っ直ぐ過ぎる性格が好きやったのに


なんか残念でしゃーない。







今日キスして来よった子の方が何十倍も素直やわ。



なんて冗談やけど。少なからずあなたからのアプローチは前より明らかに減っとる。





なんかつまらへん。



そう思った時やった。


_______バンッ




北信介
北信介
せやから、侑……
宮侑
宮侑
俺ちゃいます!!!!!
尾白アラン
尾白アラン
ちょ、信介!あなたちゃん熱出してもうたらしいねん!



は?


北信介
北信介
え?



あなたをベンチに降ろし北さんがおでこに手を当てる


北信介
北信介
熱や。
宮治
宮治
ちょ、俺タオル濡らしてきます!



サムは自分のタオルを片手に持ち部室から出て行った
銀島結
銀島結
監督に俺伝えてきますわ!
尾白アラン
尾白アラン
おん、頼むわ!




俺は……俺は何すればええ……?



角名倫太郎
角名倫太郎
早く、病院に連れて行った方がいいと、俺は思います。



角名は冷静にそう言う。











サムが帰ってきて、タオルをあなたのおデコに





そして銀島が帰ってきたと思えば慌てている監督。




監督『親に電話するから侑!病院に電話し!』
宮侑
宮侑
えっ……俺?


監督『はよっ!!夢咲の彼氏やろ!!!』




しっかりしぃ!と何故か怒られ、病院に電話をする



宮侑
宮侑
📞稲荷崎高校のもんです。



稲荷崎高校って名前を出すと



「もしかして、夢咲あなたさんに何かありましたか?!」

って食い気味で聞いてきた…

宮侑
宮侑
📞熱出したみたいなんです。



「救急車そちらへ向かわせます!!」



ガチャガチャと大きい音を立て電話が切れた








なんで、そんな焦っとるん……?

















救急車が着くと


「あなたちゃんっ…しっかり!」

「酸素マスク!酸素マスク!!」



なんで酸素マスクなん…?


なんであなたの事一瞬で分かったん……?




そして俺達はしっかりと聞こえてしまった。













____「あなたさん!死ぬんやないぞ!!」









死ぬってなんやねん……






余りにも重たい言葉に冷や汗が止まらんかった




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