______木曜日【侑side】
あなたは昨日は救急車に運ばれたまま
今日は学校に来ていない。
そして昼休み、監督から呼び出しがあった
《2年3組。宮侑〜。生徒指導室へ》
「なにしたんやー?」っていつもみたいに茶化されたけど、大体俺らは勘づいとった。
____ガラガラッ
生徒指導室。
そこには
監督『お母さん。此奴が宮侑です。』
監督と
お母さん『夢咲あなたの母親です。いつも娘がお世話になってます』
頭を下げられたから俺も頭を下げた。
監督『夢咲のお母さんが侑に話しておきたい事があるらしいねん。』
お母さん『単刀直入に言うわね…』
____『あなたと御付き合いするのやめて頂きたいの』
お母さん『侑くんにとっても、あの子にとっても大事な時期。そして侑くんには未来がある。』
お母さん『そしてあなたには未来がない。』
お母さん『あなたを救うと思って…お願いします』
深く深く……頭を下げられた。
俺はなんも言えんかった。
現実やと思いたくないからや。
あなたが死んでまうなんて思ってないからや。
ここ最近ずっと居った存在が無くなるなんて
思わんやろ
そんなん思いたくもないやん…
まだ信じられん自分がおった。
____________________________お母さんside
病室へ行くと
元気になった姿の娘…
ヒシヒシと私の心に生まれる罪悪感。
心配そうに眺める優しい我が子を抱きしめ
お母さん『ごめんねっ…本当にごめんなさいっ』
『ごめんなさい』なんて、この子からしたら
皮肉にしか聞こえないはずなのに
お母さんの行動は本当にこの子の為になるのかしら
幸せな最期を迎えられるのかしら
どうか、お母さんを許して…。
▷▶︎▷▶︎NEXT
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。