____火曜日
今日はいつもより遅めの起床で、学校にも遅く着いた
靴箱を開けると
[宮ツインズに関わるな]
とか
[死ね][消えろ][ビッチ]
などの紙切れ。
大体予想はつくものの、学校に漸く登校出来たのに
残り少ない命をこんな所で負ける訳には行かない
勿論いつも通りに私は侑くんと絡む
「チッ」
とすれ違いざまに聞こえる舌打ち。
初めてのイジメにため息は自然と出るもので
昼休み屋上なうです。
いつも通りの皆を見ると「あ〜、心配ない」って
思えた。
治はモグモグしながら、私の名を呼ぶ
チラッと侑くんを見てみればジッとこちらを見てる
そう言うと
意外とあっさり
昼休みが終わり、侑くんと結と教室へ向かう
途中の廊下
前からは昨日の女の子達
そして、すれ違いざまに
ドサッ
足を掛けられ、私は転けた
女の子達はクスクスと笑っている
み、見てたんだ……
侑くんは後ろを振り向き、女子達に近付く
「んな事する訳ないやん?!」
「銀島くんの見間違いやろ!」
びっくりするほど慌てた様子
そんな言っている女の子達に容赦なく侑くんは
え?
「え?」
いや、分かる。私も同じ事思った
ここまでドスの効いた声を初めて聞いた。
「ヒィッ」
この世の終わりかの様な顔で女の子達は逃げて行った
わぁ、本当だ…気付かなかった
そう言いながら立ち上がると
フワッと体が宙に浮いた。
侑くんは稲荷崎高校のアイドルでファンも多い
そんな人が女をお姫様抱っこしてれば
「きゃあぁあああぁああああぁああ!!」
なんて悲鳴が響き渡りますよね。
そんな事侑くんは気にせずスタスタと歩き
すぐ保健室に着いた…
ゆっくり降ろされ、椅子に座る
つまり、ここには侑くんと私の2人きりで…
血が出ている足を差し出せば
そう言われたが、時すでに遅し
侑くんってホントめちゃくちゃだ!!!
笑った……この人笑いやがったあ……
手当てをしてもらい、教室に帰ろうとした時
____『俺もあなたが好きかもしれん。』
耳を疑った…。
それしか言えなかった。
そして、会話は不思議としなかったし、放課後も
バレーを見に行こうと思えなかった…
この先、生きていけない私なんかに好意を持たれても
自分勝手な私をどうか許して欲しい…
▷▶︎▷▶︎NEXT
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!