____金曜日
言う事を聞かない体を頑張って起こし
お母さん『あなた…無理して学校なんて…』
お母さん『分かったわ…。お母さんはいつだってあなたの味方だもの。』
そう言って笑ってくれる。
いつもそうだ。
私が居なくなった途端
__ガチャンッ
『う"ゥッ……』
と泣き声が扉越しでも微かに聞こえる。
重たい体を学校へ運ぶ。
なんか今日はヤケに心配される。
でも、そんな心配されるのは辛い。
だから何時もみたいに、笑ってよ。
なんて言うと
パァッと明るくなる表情。
そうその顔が私は1番好き。
「そうだね〜!」って私も笑って返す
昼休みになって
「あ、あの!宮侑くん!ちょっとええですか?」
これは完全に告白だ。
治と角名は私と結を迎えに来る
見事過ぎるテンポだ。
屋上に向かう途中
サラッとこんな事を言うのは治ぐらい。
体育館に着き、お弁当それぞれ広げる
くれ!!と言わんばかりの眼差し
治のお弁当箱に置いてあげたら即食べた
大袈裟やけど嬉しい。
『あ"ぁ!!またあなたのもん食うてんのか!』
あっ
そう言うと「納得出来ん!!」って叫ばれた。
が、約1ヶ月でここには居れないから思い出作りにと
説明する。
ニコッと笑うと
あぁあああ!!女の扱い慣れてるうう!!
この人たち本当に私の事殺しに来てる……
ドクンッ
侑くんにそう告げると
なんて言って走り出した
1日1日の日常に進歩がある事を初めて知りました。
あ〜、そうなんだ。
このモヤッとした気持ちが
そして一言で救われるのだと初めて知りました。
その夜次第に病気は私の体を蝕んで。
______ピーポーピーポー
お母さん『あなたッ!!意識ある?!もうちょっとだからね!!』
病院へと運ばれた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。