_____土曜日
起きたら4日も経っていた…
医者は「奇跡」だと私に言った
けれど、もう分かる。
私は多分、今日か明日で死んでしまう。
良く同じ病気を抱えていた海外の子が言っていた
「死ぬ前って不思議と分かるんだ。私は多分もう残り少ない。だから自由に生きて後悔ないようにする!!」
そして、この子はその2日後に亡くなった
私は怖くて、泣いたっけ…。
けど、もう死ぬって分かってしまえば、怖くない
私も後悔ないように…自由に過ごしたい
好きな事して、好きな物食べて、好きな人と
皆と自由に遊びたい……
お母さん『ん?どうしたの?』
そう言うとお母さんは、私の手を取り
お母さん『ダメなんて言うわけないじゃない。』
お母さんはコツンとおデコをくっ付けて
___『あなた、貴方はもう自由よ…』
そう言って静かに涙を流した。
私は着替えて、お母さんにお化粧と髪を結ってもらい
準備が終わった頃
____コンコンッ
お母さん『お迎えが来たわね!』
_____『行ってらっしゃい!』
これがお母さんからの最後の行ってらっしゃい。
そして
最後の行ってきます。
侑達は私を見て驚いていた。
めちゃくちゃ心配された。
侑が私を抱き締めると皆も抱き締めてきた
本当に本当に最後の最後まで幸せをありがとう。
初めて撮るプリクラは
カシャッ
皆ギューギューで狭くて暑くてでも、楽しかった
皆して、私の顔を見てニヤニヤする
みんな貼るなら私も……
隠れてスマホケースに貼ってみた。
ご飯屋さん。
パスタや、ハンバーグ。洋食メインの店
オムバーグ?
オムバーグにした。
「お待たせ致しました〜!」
見本以上に美味しそうで……
パクッ
アッツアツなのに口に頬張る私を見て
侑はそう言った
みんな美味しそうに食べている顔は幸せそうで
皆がずっと幸せに暮らせますようにと
心の中で願った。
時間はあっとゆう間にあたりは暗くなっていて
頭をポンポンっと触り、皆は背中を向けて歩き出す
"明日" 私には来るだろうか……。
そう思いながら病院の中へ
____パシッ
へ?
腕を掴まれ、抱き締められた。
震えた声で言う侑。
前までは重く聞こえたその言葉。
でも、私ももう我慢なんて出来なくて。
____チュッ
優しく触れ合う程度のキス。
どうか、貴方が真っ直ぐ前を向いて
歩いて行けますように。
ずっと貴方の1番傍で見守っています。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!