____月曜日
今日は遅刻せずに学校へ着いた
手を振ってくれる治
ん?
私のクラゲのストラップを見て治は大声を出した
『嫉妬なんて見苦しいで!』
侑くんのエナメルバッグを見れば
青いクラゲが付いていて
なんて……。
本当にカッコよすぎる。
と思っていると
北さんから挨拶をされて。
それ以上会話がないと思っていた。
昨日、病院に北さんが居たの…?
倫太郎以外凄い眼差しで見てくる…
安心した様な顔をした侑くん、治、結。
けど、北さんだけは
北さんは無駄に勘がいい。
放課後。
久しぶりに体育館へ足を運んだ
「宮先輩ー!!!!!」
「侑くうううううん!!!」
賑やかな女子の声。
改めて思う。
私は凄い人と両想いになってしまったんだと。
控え目に後ろ側で見ていると
「うわ、噂の彼女さんやん。」
あ〜、見に来ただけで陰口を叩かれるのか。
そう考えていると
「ほんまやっ、顔小さっ」
「ほんまそれ!スタイルもええしな!」
……あれ?
思ってたのと違う…
すると
はっ、恥ずかし過ぎるッッ!!!!
周りの女子達は「どうぞ!」と道を開けてくれた
別に良かったのに…ここでもっ!
「彼女だけに向ける笑顔見てもうたッ!」
「彼女さんおおきにぃ!!」
いやいや、感謝される事じゃない……
嬉しそうに笑っている彼。
そして練習が始まれば、真剣な顔で。
侑くんの手は神様の手だよ。
誰にもこの先負けないだろう。
素人の私から見ても彼は本当に上手で誰よりも
輝いていた。
気付けば練習が終わるまで見続けてしまった…
素直に正門で待つ事5分
撫でてくれる手は大きかった。
他愛も無い話をしていると私の家はあと数分で着いてしまう所まで来た
侑くんは立ち止まり、私は侑くんの方を振り向く
ムスッとした顔はどうしようも無く可愛くて
侑くんに…いや、侑に近付いて
照れ笑いをしながらも頑張って言ってみた
______チュッ
意地悪な顔をして侑は「ほな、また明日な」
って手を振りながら言ってくる。
君の笑顔を見れるのはあとどれぐらい残されて
いますか?
君に触れられる時間は?
君の隣に居れる時間……
寂しいっ……
グイッ
あぁ……本当に君はズルいよ。
私ね、本当は生きたいんだッ。
君の隣でずっと生きていきたいんだッ……
2度目のキスは涙の味がした。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。