北斗side
俺は昨日、あなたと一緒に帰った。
珍しく向こうから帰ろうって誘ってくれて…
話あるからって…
だいたい想像は付いてた。
あと、、、。
京本が、あなたの名前を呼びそうになってたって事も気づいてた。
俺だってあなたと帰りたいから、京本の声は聞こえないふりをした。
ごめんな、京本。
でも、好きな人のことになると俺余裕ないから。
〜昨日の帰り道〜
カラオケから出てきたみんなにまた明日!とだけ伝えて俺たちは先に帰った。
少しの間無言が続きながらも歩いた。
横を通る俺たちと同い年くらいの人達がジロジロと見てくる。
俺たちって、周りから見ればカップルに見えるのかな??
そんなことを考えているとちょっと嬉しくなった。
あなたには絶対言わないけど笑笑
嫌な予感がした。
うなずいたり、あいづちしか打てなかった。
少しでも言葉を出すと泣きそうだから。
だって、振られるって分かってるもん
は、俺何言ってるんだろ。
やべぇ、泣きそう
泣きそうなのに、こらえて声を出す
あー、俺の恋、終わっちゃうんだな。
なんでだよ、このタイミングで泣いたら、
俺本当にだせぇよ、
泣くな、俺。
本人の前だから口にしないけど、
あなた以上に、好きな人なんてできる気がしねぇよ
泣いてるのを誤魔化したくて、いつもより元気そうな声で言った。
本当は元気でもないのに
自分自身に言い聞かせるように話す
あなたの中では少しはかっこいいままの俺でいれたかな?
そう言って俺はあなたを家まで送り届けた。
帰り道、ひとりでガチ泣きしたのは誰にも言わない。
〜学校に戻ります〜
目が腫れてるのを誤魔化したくて、今日はメガネをかけてきた
そんな感じで俺の1日は始まった。
きっと今日もダラダラと時間が流れていくんだろうな
そう思ってた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。