あなたside
怖い。すごく怖い
昨日起こったこと、忘れられなくて、怖かった。
あの人に触られた場所全てに感覚が残ってて、
気持ち悪い。
京本くん来てくれた時は本当に安心した。
もう大丈夫なんだって、思えた。
あの後どうやってえったかなんて記憶にない。
ただ怖くて、気持ち悪くて、不安でいっぱいだった。
一睡も出来ず、結局朝になった。
今は、大好きだったあの制服も着たくない。
だから今日はお母さんに体調が悪いって言って学校を休んだ。
心配させたくないから、くれはだけには連絡しておこう。
今日は、1人になりたくなかった。
だけど。学校も行きたくなかった。
お母さんもお父さんも平日だから仕事に向かう。
だから、おばあちゃん家に行くことにした。
昔は何かあったらおばあちゃん家にいってた。
おばあちゃんが大好きで、一人でお泊まりもした。
おばあちゃんは、言わなくても全部分かってくれて、そばにいてくれた。
あの安心感が恋しくて、おばあちゃん家に向かった
玄関を開けながら叫んだ
おばあちゃんは笑顔で迎えてくれた。
前よりちっちゃくなった気がするなぁ
それから、おばあちゃんと一緒に昼ご飯を食べた。
少しでも元気な姿を!と思って食べる気はないが、
なるべく食べた
突然おばあちゃんに言われた
まただ。おばあちゃんにはなんでもバレてる気がする
私は食べることをやめて、リビングでまったりした
そう言って家の奥からアルバムを取り出してきてくれた
やっぱりおばあちゃんに会うと落ち着く。
いつも通り、元気になってきた。
明日は学校に行けそうかもな…
おばあちゃんのシワシワの手から渡されたのは
大きなアルバムだった。
それを1枚1枚めくっていく
生まれた時、歩いた時、ないてる時、
いろんな私がいた。
そして…
見つけた。
それは、夕日に照らされている2人の子供の写真。
でも、夕日が眩してくて、おかげで逆光
だから、顔はハッキリとわからない。
でも、夕日に照らされてても分かる…そんな綺麗な金髪。
あの時のまんまだ。
よく夢に出てきてた。頭の中に浮かんでた光景そのまんまだった。
もしかして、とは思うけど、
こんなありえない話しあるわけない。そう思って、覚えてないフリをした。
だけど、やっぱり気になって、
流石に覚えてないか、
やっぱりそうだったんだ。
間違ってなかったんだ。あの金髪も雰囲気も。姿も
私が知ってるまんまだったんだ。
全部…全部、京本くんだったんだ。
なんで泣いてるの?私。
なんで諦めるなんて言っちゃったの?私。
私、ちゃんと覚えてたんだ。忘れてなかったんだ。
今更、後悔しても遅い。
だけど。
たとえ、京本くんの世界に私が入らなくたったいい。
でも、でも、
やっぱり私の世界に京本くんは必要なんだよ、
だから、伝えなきゃ。
もう遅いかもしれないけど、ちゃんと好きだよ。
今でも大好きだよって、
それだけじゃない。
10年以上忘れられなかったんだよ。って、
ずっと探してた人なんだって、
会いたかったんだ。って、
そんなことを考えていると、思わず体が動いた。
おばあちゃんは何も言ってないのにわかった顔して
行ったらっしゃいって言ってくれた。
行ってらっしゃい。その言葉に背中を押されたように私は、走り出した。
そうして、私はおばあちゃん家を出た。
私の頭の中は京本くんでいっぱいだった。
あの時の、私だよって言ったらどんな顔するかな?
驚くかな?笑うかな?
信じてくれないかな?
いや、 きっと信じてくれるだろう。
こう考えるだけで胸が弾んだ。
私の足が突然止まった。
京本くんに会うまでは止まらないと思ってたこの足が突然急ブレーキをかけた。
だって、目の前には赤信号。トラックが来る。
それだけじゃない。
飛び出してきた小さな男の子。
あの時の私と同じくらい小さい。
あの時の私?
そう思ったら勝手に体が動いた。
ダメだ!ってわかってるけど、もう遅かった。
私は赤信号なのに道路に出て、小さな子供を腕いっぱいに抱きしめた。
抱きしめたまま…
キキキキキーーーーー。
ブレーキをいっぱいに踏んでる車の音がした後、
ドーーーン。
すごい音が鳴り響いて、遠くに飛ばされた。
もちろん腕の中には小さな子供を抱えたまま。
私の体全部を使って、覆い被さる。
どうか、この子がケガしませんように。
それだけを心の中で唱えながら
バーン。
きっと地面に叩きつけられたのだろう。
何が起こってるのか分からないし、脳がまだ追いついてない。
だから、痛いとも感じない。
痛いって言うより、吐きそうな感じ
集まってくる人。声をかけてくれる人。
その人たちを横目に、私は意識を失った。
こんにちは!いちごです!!
亀🐢更新で申し訳ないです、!!!
どんどん進展させていきます!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!