第43話

DAY14続き
612
2021/01/26 15:39
あなたside
怖い。すごく怖い
昨日起こったこと、忘れられなくて、怖かった。
あの人に触られた場所全てに感覚が残ってて、
気持ち悪い。
京本くん来てくれた時は本当に安心した。
もう大丈夫なんだって、思えた。

あの後どうやってえったかなんて記憶にない。
ただ怖くて、気持ち悪くて、不安でいっぱいだった。
一睡も出来ず、結局朝になった。
あなた
あなた
学校になんて行く気にならない。
今は、大好きだったあの制服も着たくない。
だから今日はお母さんに体調が悪いって言って学校を休んだ。
心配させたくないから、くれはだけには連絡しておこう。
今日は、1人になりたくなかった。
だけど。学校も行きたくなかった。

お母さんもお父さんも平日だから仕事に向かう。
あなた
あなた
1人だと不安。
だから、おばあちゃん家に行くことにした。
昔は何かあったらおばあちゃん家にいってた。
おばあちゃんが大好きで、一人でお泊まりもした。

おばあちゃんは、言わなくても全部分かってくれて、そばにいてくれた。

あの安心感が恋しくて、おばあちゃん家に向かった
あなた
あなた
おばあちゃーん。あなただよ?
玄関を開けながら叫んだ
おばあちゃん
おばあちゃん
あなたちゃんいらっしゃい
おばあちゃんは笑顔で迎えてくれた。
前よりちっちゃくなった気がするなぁ
あなた
あなた
おばあちゃん、今日だけここにいてもいい?
おばあちゃん
おばあちゃん
もちろんだよ、
おばあちゃん
おばあちゃん
今日だけと言わず、ずっと居てもいいんだよ
あなた
あなた
笑笑
あなた
あなた
ありがとう
それから、おばあちゃんと一緒に昼ご飯を食べた。
少しでも元気な姿を!と思って食べる気はないが、
なるべく食べた
おばあちゃん
おばあちゃん
無理しなくていいからね
あなた
あなた
え?
突然おばあちゃんに言われた
おばあちゃん
おばあちゃん
無理に食べなくていいんだよ
まただ。おばあちゃんにはなんでもバレてる気がする
あなた
あなた
うん。ありがとう
私は食べることをやめて、リビングでまったりした
おばあちゃん
おばあちゃん
それにしても、大きくなったね
あなた
あなた
そうかなぁ?
おばあちゃん
おばあちゃん
昔のあなたちゃんはもっとちっさかったよ
あなた
あなた
そーなんだ!
おばあちゃん
おばあちゃん
見てみる??
あなた
あなた
写真あるの??
おばあちゃん
おばあちゃん
もちろん!おばあちゃんの宝物だよ
そう言って家の奥からアルバムを取り出してきてくれた
やっぱりおばあちゃんに会うと落ち着く。
いつも通り、元気になってきた。

明日は学校に行けそうかもな…
おばあちゃんのシワシワの手から渡されたのは
大きなアルバムだった。
それを1枚1枚めくっていく
生まれた時、歩いた時、ないてる時、
いろんな私がいた。
そして…







見つけた。
あなた
あなた
え?
あなた
あなた
おばあちゃん、この写真って私だよね?
それは、夕日に照らされている2人の子供の写真。


でも、夕日が眩してくて、おかげで逆光
だから、顔はハッキリとわからない。
でも、夕日に照らされてても分かる…そんな綺麗な金髪。

あの時のまんまだ。
よく夢に出てきてた。頭の中に浮かんでた光景そのまんまだった。
おばあちゃん
おばあちゃん
そーだよ、ちっちゃいね〜かわいい
あなた
あなた
おばあちゃん…この子だれ?
あなた
あなた
私の隣に映ってるこの子。
おばあちゃん
おばあちゃん
覚えてないのかい?昔よく遊んでくれてた隣の子だよ、だいぶ前に引っ越しちゃってもういないけどね
あなた
あなた
そーなんだ。
もしかして、とは思うけど、
こんなありえない話しあるわけない。そう思って、覚えてないフリをした。
だけど、やっぱり気になって、
あなた
あなた
おばあちゃん、この子の名前ってなんて言うか覚えてない?
おばあちゃん
おばあちゃん
名前ねぇ…
流石に覚えてないか、
おばあちゃん
おばあちゃん
あ、珍しい名前だったから覚えてるよ!
おばあちゃん
おばあちゃん
よくあなたちゃんが、名前呼んでたよ、
おばあちゃん
おばあちゃん
確か…
あなた
あなた
確か…?
おばあちゃん
おばあちゃん
大我くん!大我くーん。って、呼んでたかなぁ?
あなた
あなた
大我っ。
あなた
あなた
苗字は??
おばあちゃん
おばあちゃん
えーっと、京本…?かな、
おばあちゃん
おばあちゃん
すごい珍しいからね、記憶に残ってる
あなた
あなた
京本…
やっぱりそうだったんだ。
間違ってなかったんだ。あの金髪も雰囲気も。姿も

私が知ってるまんまだったんだ。
全部…全部、京本くんだったんだ。

なんで泣いてるの?私。

なんで諦めるなんて言っちゃったの?私。


私、ちゃんと覚えてたんだ。忘れてなかったんだ。

今更、後悔しても遅い。


だけど。













たとえ、京本くんの世界に私が入らなくたったいい。

でも、でも、

やっぱり私の世界に京本くんは必要なんだよ、


だから、伝えなきゃ。
もう遅いかもしれないけど、ちゃんと好きだよ。
今でも大好きだよって、

それだけじゃない。

10年以上忘れられなかったんだよ。って、
ずっと探してた人なんだって、

会いたかったんだ。って、
そんなことを考えていると、思わず体が動いた。
あなた
あなた
おばあちゃん!ごめん!私帰るね!
おばあちゃん
おばあちゃん
はい、はい、行ってらっしゃい
おばあちゃんは何も言ってないのにわかった顔して
行ったらっしゃいって言ってくれた。

行ってらっしゃい。その言葉に背中を押されたように私は、走り出した。
あなた
あなた
また来るから!
そうして、私はおばあちゃん家を出た。
私の頭の中は京本くんでいっぱいだった。


あの時の、私だよって言ったらどんな顔するかな?
驚くかな?笑うかな?
信じてくれないかな?

いや、  きっと信じてくれるだろう。


こう考えるだけで胸が弾んだ。
あなた
あなた
あっ!
私の足が突然止まった。
京本くんに会うまでは止まらないと思ってたこの足が突然急ブレーキをかけた。
だって、目の前には赤信号。トラックが来る。




それだけじゃない。



飛び出してきた小さな男の子。
あの時の私と同じくらい小さい。

あの時の私?
そう思ったら勝手に体が動いた。

ダメだ!ってわかってるけど、もう遅かった。
私は赤信号なのに道路に出て、小さな子供を腕いっぱいに抱きしめた。
抱きしめたまま…
キキキキキーーーーー。
ブレーキをいっぱいに踏んでる車の音がした後、
あなた
あなた
あっ。
ドーーーン。
すごい音が鳴り響いて、遠くに飛ばされた。

もちろん腕の中には小さな子供を抱えたまま。
私の体全部を使って、覆い被さる。



どうか、この子がケガしませんように。
それだけを心の中で唱えながら
バーン。
きっと地面に叩きつけられたのだろう。
何が起こってるのか分からないし、脳がまだ追いついてない。

だから、痛いとも感じない。
痛いって言うより、吐きそうな感じ




集まってくる人。声をかけてくれる人。
その人たちを横目に、私は意識を失った。




こんにちは!いちごです!!
亀🐢更新で申し訳ないです、!!!
どんどん進展させていきます!

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