第35話

姉ちゃん失格
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2021/08/16 11:43
千明は、人懐っこい性格だと思っていた


こんな私にも、懐いてくれた


















いや




















私にしか懐けなかったのだろうか



千明が成長していく姿を


私は横目で見ながら、毎日変わらず剣術を磨いた
千明
ねえちゃん?
あなた
ん?なんだい?
千明
ねえちゃんは、いつも何を振ってるの?
こんな小さい子供に


軽々と教えていいものなのか


私は躊躇した
あなた
姉ちゃんはいつも、人を守る物を振ってるんだよ
千明
人を守るもの?
あなた
ああ
人を刀で守るなんて、そんなヒーローみたいな事


したことない





無心で振ってるんだ


手汗が滲んだ


自分で研いだ


この刀を
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私は、千明が生まれるまで


毎日朝から晩まで刀を振り続けて来た




けど、今になっては
あなた
千明、やるよ
千明
ありがとう、姉ちゃん!
例え、左右同じ目で生まれたとしても


実の親から、気づかない内に


ほっとかれている千明を
千明
姉ちゃんのおにぎりは少ししょっぱいね!
あなた
うるせーよ
世話するのは、私の役目だ
だから




千明に寂しい思いはさせないと




千明を最優先に時間を使う
千明
母さん!
母親
……
無視はするが、


私のように暴力をふってないだけマシだった
千明
母さん…?
あなた
千明、母さんは忙しいんだ
あなた
わかってあげて
こんな嘘を余裕に吐ける自分も


どうかと思う
千明
父さんも、母さんも忙しいの?
あなた
ああ、二人とも千明の為に
頑張ってるんだ
あなた
少し休ませてあげよう
千明
千明の為に?
あなた
そうだよ
千明
千明だけ?姉ちゃんは?
あなた
あなた
ああ、私の為にも頑張ってくれてるさ
千明
なら安心したよ!
こんな姉ちゃんで「ごめん」と


つくづく思う




妹を不安にさせるなんて


姉ちゃん失格さ

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