ジミンが行ってしまい、1人取り残された階段の踊り場
ジミンとのこの焦れったいような微妙な関係
私の胸の中でモヤモヤとした不安は、この距離のせいで増加していく
私も帰ろうと思って、そのまま階段を降りようとする
すると、踊り場から何かが震えるような音が聞こえた
振り返ってみれば、ジミンのスマホが落ちてる
電話だ
スマホの画面には《ナンヒ》の文字
ナンヒ……?
え、明らかに女の子の名前
浮気…!?
いや、ジミンに限ってそんなことはないだろう
信じたいけど、心のどこかで"浮気なのかな?"そう思ってしまう自分がいる
とりあえず、スマホを届けるため急いで階段を降りていくジミンを追いかける
昇降口まで行くとジミンの姿が見えて声をかけようと口を開く
しかし
げっ、ソアちゃん……
相変わらず可愛い笑顔をジミンに振りまいている
冗談っぽく尋ねるソアちゃんだけど、口調とは裏腹にその目は真剣だ
女の人に、会いに……
そう聞いてしまった私の頭の中には"ナンヒ"、その名前が浮かび上がった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。