第151話

🥀
1,997
2021/04/02 00:21
あなた

まさか……知らなかった?

ジン
ジン
知らなかった。まず彼女いたことも知らないし
あなた

え、、





兄弟なのに彼女いるかいないかも知らなかったんだ









これは多分、ナムさんがあえて教えなかったのかもしれない









超がつくほどブラコンなオッパだから、ナムさんが結婚するって聞いたら、すぐに騒ぎだすのは目に見えてる









ショックを受けるオッパに対して、私はなんて声をかけるべきか困った










なんで私の方がこんなに気を遣わないといけないのだろうか









軽く気まずい沈黙が訪れたころ、車は目的地に到着した









着いた先は、海だった








あなた

なんで、海?






車から外に出てみると、風は強いし、波は荒いし、とにかく寒い






ジン
ジン
嫌な事があったら海に向かって叫ぶのは、常識だろ
あなた

……は?




そんな常識聞いたことない



ジン
ジン
とりあえず、俺は、"ナムジュンの馬鹿野郎!!"って叫びたい



そう言ったオッパの横顔はとっても切なかった










そして、本当に





ジン
ジン
ナムジュンの馬鹿野郎ぉぉお!!



と海に向かって叫んだ










私に叫ばせるためにここに来たくせに、なんで自分が1番に叫んでるのだろう










とはいえ、叫ぶんなんて恥ずかしい真似、最初からする気もないんだけど










優しいのか、優しくないのか、かなり微妙










いつもいつもじんオッパは優しさはメチャクチャ









それでも、そんなオッパのメチャクチャな優しさが、実は………ちょっと好きだったりする










いつもいつも、私の気づかぬうちに、その優しさに救われてきたのかもしれない










この海を見ていて、ふと思い出したけど










6年前の世界滅亡(予定)日の出来事も、今にして思えば









あれもオッパなりの優しさだったのかもしれない、そう思う



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