ぼんやりと突っ立ったままでいると、ジミンの所から戻ってきたソアちゃんと鉢合わせする形になった
涙目で睨まれながらそう聞かれた
私が小さくうなずくとソアちゃんが私の腕を掴んで
なぜかソアちゃんと一緒にジミンを追いかける(というより、後をつける)ことになってしまった
後輩相手なのに敬語になってしまう
それくらい今のソアちゃんは殺気立っていた
そんなソアちゃんは私の言葉も聞かずに前を歩くジミンを見つめながら
と呟いていた
うわぁ、なんかほんとにお腹痛くなってきた……
ソアちゃんと一緒にこっそりジミンのあとを追いかけること数分
と、甘えた声でジミンに呼びかける女の人が現れた
私とソアちゃんがハモった
"ジミンちゃん"だなんて凄い親しげな呼び方にびっくりした
そう呼びながらジミンに駆け寄るその人は、ちょっと派手めで露出度の高い服を着た、綺麗な綺麗な、お姉さん
私だってあんな美人とジミンが知り合いだなんてまったくの予想外
"電話した"ってことは、やっぱりあの人が
"ナンヒ"さん……?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!