アルコールランプで沸かされたビーカーの中のお湯を見ながら、呟いた
面倒くさそうに言いながらぐぅちゃんはビーカーの中に薬品
ではなく、インスタントコーヒーの粉を入れてグルグルかき混ぜる
いつの間にか現れた顧問のカン先生の手にはいっぱいのお菓子が抱えられている
どうやら、生徒達の噂で私とジミンのことを耳にしたらしく、私を気の毒に思ってか"励ます会"を開いてくれたらしい
こうして放課後の生物室で、私、ぐぅちゃん、カン先生
という謎メンで私を励ます会が開催された
でも、いくら洗浄済みのとはいえ実験用のビーカーでコーヒーを飲むもんじゃない
ビーカーに少し薬品が残っていたのかもしれない
薬品とコーヒーが化学反応を起こしたのかどうかは定かじゃないけど、私を励ます会の途中、カン先生は酷い腹痛を訴えて、病院に運ばれた
教師という立場からか、「ビーカーでコーヒーを飲みました」なんて言えるわけなくて原因不明の腹痛患者としてカン先生は入院することになった
そんな経緯で、生物の教員免許を持っていたニートのじんオッパが臨時に採用されてしまった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。