第9話

8.
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2021/11/15 14:20
西畑 side



僕が鈴木さんと、あんなにも仲良く距離感が近づけられるようになったのは、


ほんの1,2週間前のこと。
















その日は、朝から看護師さんがいつものことだが、やけに忙しそうやった。


看「ほんまに問題児やな。あの子は。」


まぁ、この言葉からして、だいたい予想はつく。


「鈴井さん脱走事件」


正しくこれや。


やって、看護師さん同士の会話で、何回も鈴井さんという人の名前が出てるし。


もっと耳をすましてみれば、


どうやら、鈴井さんという人は今日は、大事な大事な検査日らしい。


そんなことにも関わらず、脱走しているのだとか。




『すごい人やなぁ。』




でも、なんでそんな大事な日に逃げんのやろか。


そんなに、結果が怖いんかな…?


考えても、その人の感情は喋ったこともなければ会ったことすら無いので、全然分からないまま


ずっと、その場を過ごしていた。









という訳でもなく、


気晴らしとして、1階にあるコンビニに向かった。


ティッシュがきれたから、新しいものを調達しに行きます。


最近、夜中の鼻水がすごくて…笑








『あ、あった。良かった。』






箱ティッシュ、なんとか見つけました。


無かったらどうしよか、全然考えてへんかったから。


ティッシュだけ買うのも、なんか寂しくて


水1本と、チョコレートを2つぐらい手に持って


少し満足感で満たされながらも、レジに向かった。







買ったものの、なぜか今日は


部屋にずっといるということが、どうにもしたくなくて、


よくドラマで見かけるような、あの場所に行ってみることにした。






『え、普通に鍵空いてるやん。』



ちょっとした興味本位で、ドアを開けると


肌に触れる風は優しく、雲ひとつない空が目の前にあった。



『すご、。笑』



思わず自分の顔に笑顔が広がる。


まさか、ドラマとかでしか想像してなかった屋上が、ここの病院ではこんな簡単に入れるなんて思っとらんかったし…。


ビニール袋片手に、辺りを見渡してみた。





「どちら様?」


『え、、?』





上をむくと、


塔屋の上の方から、顔を出す女の子の姿があった。




でも、僕から見てただの女の子ではなかった。


肌は白く透き通り、下に流れ落ちる髪は見るからにさらさらしてそうで、


まさに、"天使"と言っても過言ではないくらい綺麗な美少女だった。







これが、初めて君と出会ったあの日の思い出。













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