─みやside─
あれからもう1時間弱が経った。
お互い息が上がっている。
顔を赤く染め
売るんだ瞳で見つめてくるあなた...._
聞こうとした事があったけど....
Kiss
ダメだ完全に狂っている。
あなたが誘っているからなのか、
俺の本能なのかも分からない。
ただこうしているのが
とても気持ちが良かった.._
─あなたside─
私が問い掛けても中々答えが返って来ない。
あんまり頭は回らないし、
なんか身体も変な感じだけど気になった事。
──さっきみやが何を言おうとしたのか。
みやはそのほねぼねしい人差し指の指先で、
私の唇に手を当てる。
みやが立ち上がって私の後ろにまわる。
みやは私の唇を撫でながら耳元で私にそう問う。
色々考えてやっと口を開く。
私の頬に涙が伝う。
私は何故か涙が溢れて下を向く。
みやはそう私に声を掛ける。
当然涙が溢れてくるものだから、
上を向ける訳が無い。
みやが私の顎を持ち上げる。
甘い声で。爽やかな笑顔で私の目を見てくる。
いきなり太い声に変わるみや。
私は息を飲んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。