倒れたあなたの下の名前をプレハブの中のベットへと運んだ
灰谷兄妹はあなたの下の名前が寒くないように毛布をかけてあげていた
それでもあなたの下の名前の震えは収まらなかった
なにかに怯え、倒れて眠る今でさえ魘されていた
イザナは何が起きたのかよく分かっていなかった
俺らでさえあの日以来ここまで怯えるあなたの下の名前は見ていない
俺はベットで眠るあなたの下の名前を横抱きしそのままソファーに座った
それでもあなたの下の名前の震えは収まらなかった
いつも一緒にいるやつの匂いがついたものの方が安心するだろうとケンチンの上着をあなたの下の名前にかけてやった
そう言って俺はあなたの下の名前の背中を撫でた
少しづつ顔色も良くなって、規則正しい呼吸に戻っていった
あなたの下の名前が落ち着いたあと少しの沈黙が続いた
イザナがその沈黙の中、口を開いた
あなたの下の名前は口には出さなかったけど、一虎が東卍を抜けようとしていた時酷く怯えていた
場地だけじゃなくて、あなたの下の名前の周囲の人間、つまり俺らが居なくなることに対しても恐怖を感じているんだ
もうどうしたって慎一郎は生き返らない
それが現実なんだよ
自殺…
その言葉だけは言いたくなかった。
いつか壊れたあなたが自分から俺らから離れていってしまうんじゃないかって
少しの間沈黙が続いた
そう言って一虎はイザナに頭を下げた
慎一郎が死んでからあなたの下の名前は心を閉ざした
いつも笑っていたいたあなたの下の名前が全く笑わなくなって俺らの前では泣かなくなった
それどころか言葉を発さなくなって…
やっと言葉を発したのはそれから2ヶ月後だった
そう言って一虎はもう一度頭を下げた
━━━━━━━━━━━━━━━
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。