マイキーと場地はあなたを家に連れて帰った
玄関から中にいるエマを呼ぶ
エマはマイキーが抱えているあなたの姿を見て驚いた
それもそうだ
自分の友達であるあなたが傷だらけで服もボロボロなのを見れば誰だって驚く
襲われたといっても、確認したところ殴打や鋭利な刃物での切り傷のみでそれ以外に目立った外傷はなかった
だか、あんな汚い倉庫にいたためお風呂に入れるのが1番だと思った
さすがに女子の入浴を野郎2人が手伝うわけにもいかず…
そう言ってエマはあなたをお風呂に連れていき、マイキーと場地は手当に必要そうなものを準備していた
佐野家と場地は真一郎が死んだ時のあなたの様子をよく知っていた
部屋から出ることも無く笑うことも泣くことも無く…
声を聞くことも出来なかった
ただ最低限の食事と睡眠だけを取りその目から生気を感じなかった
その時のあなたの姿を二度と見たくないと思ったのに…
ガシャーン
急にお風呂場から大きな音とエマの叫び声が聞こえた
マイキーと場地がお風呂場に行くと、真っ裸のあなたがエマの対角の位置に座っていた
膝を抱え、腕で頭を覆い何から自分を守るようにして…
ここにはあなたを傷つけるやつはいないのに…
エマが見る方向にはシャワーが落ちていて
お風呂場にあった鏡は割れていた
エマはマイキーの指示通り飲水を持ってきた
場地はあなたに近ずき触れようとした
あなたがパニックになった時には必ずマイキーか場地が対応する
幼なじみと言うだけあってかあなたはマイキーと場地のそばに居ると落ち着いていた
だけど…
パチンッ
場地の手はあなたによってはたかれた
あなたはカタカタと震え、拳は真っ白になるほど握り締められていた
虚ろな目は何もとらえていなかった
場地は無理やりあなたの両腕を掴んだ
マイキーはポケットから何かを取りだした
そしてそのままあなたに近ずき頬に触れる
あなたはマイキーの手を噛んだ
そして足をばたつかせて暴れる
その足の上に跨りあなたの動きを止める
マイキーはポケットから出した睡眠剤をあなたの口に無理やり押し込んだ
そして自分の口に水を含みあなたの唇に重ねた
あなたは固く唇を閉じていたがマイキーの舌によって無理やり開けら、あなたの口の中に水が伝っていった
あなたはどうにか舌でそれを拒むがマイキーはその舌を器用に絡め、薬を飲み込むための軌道を確保する
あなたの喉元が数回上下したことを確認しマイキーは唇を離した
あなたは肩で息をしていて唇の端から水や唾液が伝っていた
そう一言こぼしてあなたは瞼を閉じた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。