起きた時にはじろくんの腕の中にいた
うちはじろくんの腕の中からとびだして一虎のもとへ駆け寄った
そして、いっくんとの距離を保ち一虎を背後に隠すようにしていっくんと向き合った
そんなに動いていないのに息が上がる
汗が止まらない…
体全体の血液がすっと引いていくのが分かる
一虎はうちを後ろから抱き寄せた
いっくんなら一虎を殺すなんて容易にできるだろう
うちはその言葉を聞いて膝から崩れ落ちた
立ち上がろうとするが足に力が入らない
そう言って一虎はうちを優しく抱き上げてくれた
うちは一虎の暖かさを確かめるように強く抱き締めた
一虎の目は真っ直ぐで信じてもいいと思えた
恐る恐るいっくんの方を向くと、その目には涙をうかべていた
そう言っていっくんはうちと約束をしてくれた…
うちはいっくんの方に両手を広げた
ギュッ
うちといっくんは仲直りでき、この話は終わった
少しの違和感を残したまま…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。