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2021/08/23

第4話

【生活2日目】お買い物だよご先祖様!
「お主、今日のこれからの予定はどうするつもりなんじゃ?」
「えぇと、食べ物の買い足しに行こうかと……」
 大魔法使いのご先祖様、アウストゥード・オプターナ様との生活、2日目が始まった。本当は昨日に買い物の予定を入れていたのだが、アウストゥード様目の前でくつろいでいるこの男の出現により全てが狂ってしまったため、行くことができなかった。
 それにしても、昨日は本当に疲れた。連休でしばらく学校がないことが幸いだ。
 昨日あったことを簡潔に説明しよう。まず、朝ご飯を食べた後に私が復習や課題をしていると、ものすごい頻度でちょっかいを出してくる。
 一番厄介だったのは、教科書を勝手に読まれることだ。普通に黙々と読んでいるだけなら特に問題はなかったのだが……。
 特に、魔法史の教科書を読んでいるときはものすごくうるさかった。自分の生きていた時代のページを開けた途端、長々と思い出話を語りだす……。聞きたくないわけではないが、せめて勉強している時はやめてほしい……。
 その他にもまだまだある。目を離すと何をしでかすか分からないから困ったものだ。
 こんなに自由奔放な方だったとは……。エレヴィー先生はじめ、魔法使いの方々が見たらなんて言うだろうか……。
「買い物じゃと!?」
 そんな私の心の声はつゆ知らず、アウストゥード様幼い子供みたいなこの男は目を輝かせている。
「誰も、連れて行くとは言ってませんよ? おとなしくお留守番をしていてください」
「いーやーじゃ! わしも一緒に行くのじゃー!」
 大声でそう叫びながら、床に寝転がってじたばたし始める。
 連れて行っても大変だし、置いて行っても大変そうだ……。
「えーと、今から買い物に行きますが……。アウストゥード様、ひとつお願いがございます」
「何じゃ?」
「どうしても外出したいのであれば、姿が見えなくなるようにして頂きたいのです」
 どうやら、他の人々にも姿は見えているらしい。そんな状態で外に出れば、間違いなく騒ぎが起きる。
 昨日も、郵便物を私のかわりに受け取ってしまって、配達員を気絶させてしまったし……。
「確かに、わしが見えてしまっていると色々大変じゃからの。なに、今のわしは霊じゃ。姿を消すくらいお安い御用じゃ」
 アウストゥード様がそう言ったかと思うと、すぐに姿が見えなくなった。
「それじゃあ、行きますよ。食べ物を買うだけなので手短にします」
 一応、忠告はするけど、どうせ色々寄り道させられるんだろうなぁ……。そう考えながら外に出る。
『おぉ。ここは……帝都か? 350年も経つと色々変わるもんじゃのう』
 頭の中に声が響いてくる。とても不思議な感覚だ。
「今は、“王都”に名前が変わりました。ロギフィア“帝国”から“王国”になったんですよ」
『何じゃと!? そこから変わってしまっているのか……』
 これが世代差か……。いや、そんなレベルじゃない。
「はい。着きました、ここが市場です」
『賑わっておるのう。随分と人口が増えたようじゃな』
 今日は一応平日なので、比較的人は少ない。それでも、昔と比べるとかなり多いようだ。
「姿が見えないからって、勝手にどこでも行かないでくださいね?」
『分かっておる。迷子なんて御免じゃ』
 この状況で迷子になられたら、とても、ものすごく、困る。
 事前に用意したメモを頼りに、買い物を進めていく。アウストゥード様もはぐれずについてきてくれているようだ。
 さて、こんなものかな。メモに書かれた物は全て買い終わった。
『帰るのか? もう少し見て回ろうぞー』
「手短にすると言ったはずです。ほら、食べ物を早くしまわないといけないし! 帰りますよ!」
『むうぅー……』
 駄々をこねるアウストゥード様をずるずると引っ張る(つもりで)家路につく。何となく、今日は早く帰らないといけない気がしている。
 何でだろう……。うーん、何だったっけ……?
 それよりも、色々な所に気を張ったから無駄に疲れた……。帰ったら一休みしよう。
 そう考える間にも家は近づいてくる。ふと、玄関の前に人が立っているのに気づいた。
 あれは、学校のクラスメイト達……。
「あっ、ハルー!」
 気づいた一人が、こちらに向かってくる。
「あれ……? どうしたの?」
「どうしたもこうしたも、今日はハルの家で勉強会だよ?」
「あ……。そうだった!」
 昨日の夜まではちゃんと覚えてたのに……!
「お主、この者達は誰じゃ?」
 アウストゥード様の声が普通に聞こえるようになった。どうやら姿が見えるようにしたようだ。
 え? 姿が、見える……?
「おい。この人、誰だ……?」
「ちょっと待って! この人、教科書で見た! って言うか、この間の授業で――」
「あーっ! とにかく入って! ほら早く!」
 とても、まずいことになってしまった。
 あぁ……。そして、このメンバーか。嫌な予感しかしない……。