第8話

8話目
169
2022/05/20 13:49
 僕たちはこんどは道を歩いて帰ることにした。

 ママは三日間入院するから、その間、うちにいればいい、とラキエに話した。
圭太
圭太
そのうちきっと魔法を思い出すよ
ラキエ
ラキエ
そうかなあ……
圭太
圭太
(車がびゅんびゅん通りすぎる大きな通りに出た。ここを渡ればうちまですぐだ)
圭太
圭太
あ!
 その時、僕は、子猫が道の真ん中、車の間ですくんで動けなくなっているのを見つけた。
圭太
圭太
待ってて、ラキエ。あの猫助けてくる
ラキエ
ラキエ
オマエはほんとに助けるのが好きだな
圭太
圭太
どんなものだって、命が危なかったら助けるさ
圭太
圭太
よしよし、大丈夫だよ………
 僕が猫を抱き上げたとき、まぶしいライトが僕を照らした。

 目の前にタクシーが迫っていた。
圭太
圭太
うそ……!
 目の前が光でいっぱいになった
ラキエ
ラキエ
アルトアレグロフォルテカンターゾ!

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