#マサイside
見つけた…
りささん!
俺の息を切らす声で気づいたのか、ゆっくりとりささんは振り向いた。
りささんは意外にものんびりとベンチに座っていた。
りささんは澄ました顔でいる。
俺の中で何かが弾けた。
マサイ。もう我慢できません。
“ギュッ”
俺は、座ったりささんを立ち上がらせ抱きしめた。
消えそうな声で、小さく呟くりささん。
もう、可愛くて。可愛くて。仕方なかった。
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みんな食いつくようにその光景を除き見する。
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すると、りささんの表情がフッと緩む。
っと、優しく囁く。
りささんは優しく、俺の頭を撫でた。
気持ちが一気に軽くなり、飛んでいきそうな気分だった。
タイミングが重なり、お互いの名前を呼ぶ。
やばい。俺。
もう、言ってしまいそう。
い、今なんて…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。