シルクと声がかぶる。
好きな人の声が、胸いっぱいに広がる。
予想外の言葉に、私は我を失う。
私は部屋着のままダッシュで玄関に向かう。
今日、何故か可愛い部屋着を着てた自分にガッツポーズしたいくらいだ。
ゆっくり重たい玄関を開けて、外へ飛び出そうとすると…
気づくと大好きな人の胸に飛び込んでいた。
気づくと涙も出てた。
そう言うと、シルクは私の頭を優しく撫ででくれた。
シルクの顔は見れないけど。
その手からは、優しさが滲み出てた。
少し泣きそうなシルクの声が、耳元で聞こえる。
なんて意地悪な言い方なんだ。
私は、泣きながら顔を上げて笑う。
シルクが馬鹿にしたように私の鼻をつつく。
そして
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。