そんなわけない 。
そんなわけない 、って思ってるのに
気付いたら必死に部屋を見渡してた。
家具はあっても私物が1つも無い。
それに、匂いも…
新居の香りがする。
最近、断処理でもした?
思い返してみても何も記憶が無い。
布団の中は髪の毛ひとつも落ちてなくて
この部屋の中全てにおいて何も汚れがない
あなた、あなた、
何度もそう呼ばれると段々頭が痛くなってきた
それを良い事にこの男は
試すように何度も私の名前を呼んだのだ
ズキッ、ズキズキ っ
呼ばれる度に誰かに殴られているような感覚に陥る
そして ,
蘇っていく記憶________
時間を巻き戻すかのように
頭の中に映像が流れる
私が苦しんでるのにも構わずに呼ばれる
痛くて嫌なのに、思い出したい
約1時間前の記憶 ,
おっぱが私の前に現れて
変な冗談を言われて笑ってたんだっけ
全て思い出した
自分がおっぱに対して言ったことも。
信じられるのは、私にとって必要なのは
おっぱだ ________
それなのに神様はどうして
私の味方をしてくれないんだろう 。
タイミング良くドアが開いた
ドアの隙間から覗く、黒い影と目
急に空が曇ったような気がする
テヒョンは天候も操れるの ? それともまぐれ ?
.
🐯 『 誰と話してたの? 言っとくけど , 全部聞こえてたからね ? ㅋㅋ 』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!