第47話

#「最初で最後」ユリウス夢【リクエスト】
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2025/09/25 16:43 更新



  _____ 時々。夢に、見る。



  自己主張はそんなに激しくなくて、
ユリウスに尽くすことが
一番の幸せだと思っているような彼女が、



あなた
あの!!

あなた
私じゃだめですか!!!!!?




___ 顔を真っ赤にさせながら、告白してきた日のことを。








  やってしまった。
やってしまったやってしまったやってしまった。

勢いに任せて告白のような言葉を叫び、
彼の腕を掴んでから数秒。
段々と冷静になってきたのか
自分の行為を自覚して頭が真っ白になった。
  ばか。ばかばかばかばかばかばかばか!!!
順序があるだろう、順序が。

女の子扱いしてくれる彼を
恋愛的に意識していなかったといえば嘘になるが、
それでもこんな告白をするつもりはなかった。


ただ引き留めて、連絡先を交換しようと
一声言うつもりだったはずなのに。





どうしてこんなことに。
私が呻き声のようなものをあげながら頭を抱えていると、
頭上から一滴の水が落ちてきた感覚がした。

雨でも降ってきたのだろうか。
私がゆっくり上を向くと、



ユリウス・ユークリウス
_________、
あなた
え?



  理解の追いついていないような表情のまま、
ぼろぼろと涙を落とす彼の顔がそこにはあった。






あなた
え!??????
あなた
ちょっ、まって、ほんとにごめんなさい
違うんです離れますすみません!!!!!
ユリウス・ユークリウス
____ちがう。違うよ、違うんだ、あなた…。



私が慌てて彼から離れようとすると、
彼はその筋肉のついた腕で私を抱き締める。

「え」と言葉にできない声が漏れるものの、
彼は涙を溢れさせながら強く私を締め付けた。


あなた
( ……見ないで欲しいのかな? )


思考は未だ混乱を極めているものの、
泣いているところを彼は見られたくないのかもしれない。

強く抱きしめられて少し苦しいけれど、
その圧迫感は不快ではなかった。
私は震える彼の背中に手を伸ばして、
できるだけ優しくさする。

  彼が嫌なら申し訳ないが、
泣いている人がいれば優しくするのが信条だ。

私はただ、彼が泣き止むまで
ずっと彼の背中を撫で続けていた。







ユリウス・ユークリウス
_____すまない、本当に、すまない。
跡になっているだろう。
君が構わないならどうか私を殴ってくれ。
あなた
なぐ……しませんよそんなこと!!


それから数分が経って、
彼は落ち着き私から離れた後、
抱きしめられるときに掴まれた二の腕に
彼の手形の跡が付いていたことに気がついたらしい。

それから彼は先程の様子とは一変して、
ひどく慌てたように私の二の腕を冷やし始めた。



ユリウス・ユークリウス
本当に……申し訳が立たない。
君が望むなら金銭でも
なんでも払うことを誓おう。
あなた
大丈夫ですほんとにすぐ消えますから…!
あなた
ユリウスさんの責任じゃ………って、


そう言いかけて、いつの間にか
ユリウスと彼を呼んでいたことに気がついた。

どうにも私は家名で呼ぶのが苦手なもので、
名前を呼ぶ方が好きなのだ。

しかし彼が不快になるなら辞めなければと
「すみません」と謝ると、
彼は下を向いて首を振った。


ユリウス・ユークリウス
…… ユリウスと、そう呼んでくれ。
私も、君をあなたと呼びたい。


……確かに、彼も気がつけば敬語や敬称が外れていた。
だがそれに不快感はなく、私は勿論と了承を返す。

あなた
……ええと、あの。
元カノさんのこととか、
思い出したんですか?


彼は少し黙って不思議そうな顔をしたあと、
私の言っている意味が分かったのか
口を開けて軽快に笑った。

ユリウス・ユークリウス
…そう、といえばそうだろうね、
本当に愛おしくて、大切な記憶だった。
あなた
やっぱり、素敵な関係だったんですね。



少しの気まずさと痛みを覚えながら相槌をうつと、
彼は懐かしい記憶を慈しむように目を閉じて、
それから私の手を取った。


ユリウス・ユークリウス
__ああ。素敵な関係だったと、
君が言ってくれるのなら
間違いなくそうだったんだろう。
あなた
え、あ、はい…?
ユリウス・ユークリウス
そして、私はもう一度、
君とそんな関係になりたい。



私が彼の言葉に理解が追いついていないのに、
彼は構わず言葉を続ける。
その表情には、安堵が滲んでいた。

ユリウス・ユークリウス
___もう一度、始めればいい話だった。
何度だって、伝えればよかった。
ユリウス・ユークリウス
もう一度君の愛情を受け取るためなら、
何度だって君と恋を始めることを、
なぜ私は億劫になっていたんだろうか。




彼は自嘲するように笑って、
それでも私の目を見て、言葉を紡ぐ。


ユリウス・ユークリウス
_______ もう一度。
私のことを覚えてくれ、あなた。
ユリウス・ユークリウス
ユリウス・ユークリウスという
生涯君を愛する男の名前を。
どうかもう一度、記憶に刻んでくれ。



なぜ、こんなことになっているのだろう。


先程泣いていた彼とは別人のように
私の手を取り笑う彼から、
なぜだか目を離せない。


ユリウス・ユークリウス
____これでも、
随分と面倒な男であることは自覚しているが。
ユリウス・ユークリウス
私に、もうあんな顔はさせないのだろう。
君は確かにそう言ったな、あなた。



  
あなた
… もしかして、
その元カノさんって、私?




全く私の記憶にはないが、
彼が嘘を言っているようには見えない。

私がそう妄言のようなものを口にすると、
彼はまた優しく微笑んだ。


ユリウス・ユークリウス
君が、思い出せなくても構わない。___が。



ユリウス・ユークリウス
その分、前よりも愛おしい記憶を、
前よりもずっと作っていけばいいさ、あなた。




どうやら彼は、私が彼を好きな気持ちよりずっと、
私のことが好きなようだ。
  彼の記憶にある私がどんな感じか分からないが、
「まぁまた話せばいいか」と私も笑えてきて、
彼に腕を伸ばした。



  生憎、ユリウス・ユークリウスの
最初の女も最後の女も私が独占するらしい。


オチを決めずに
書き始めるところがよくないんだと思いつつ、
「書くの楽しい!」の一心でまたやってしまいました。

毎回反省はしてるんです

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