思い悩み真夜中に飛び出した
冷たい風に吹かれながら点滅信号を見上げた
耳をすましても君の声は聞こえない
車から漏れたヒップホップが
サイレンみたいに過ぎてく
もう忘れたいんだあの瞬間
真っ白な光に照らし出された
ねぇあの時君はどんな思いでそばにいたの?
あんなに「好きだ」と言い合って頬を
くっつけ笑って撮った写真にも
こっそり映り込んでいた悲しい恋の去り際
君から貰った幸せの全ては
目から心から音もなく消えた
まだ信じられないまま
遠くでぼやけた赤黄色の光
思い出だらけのこの街は
眩しすぎて目を閉じた
認めたくないんだ
辛いんだ
報われることの無い脇役のように
ただ傷つく事以外に何一つ出来ずに
壊れてしまった最愛の毎日は
欠片が刺さってほんとに痛かった
もう二度と戻らない終わりなんだと知った
貰った手紙は読み返せないくせに
大事にしまって捨てられないまま
いつかは忘れられたら
あんなに好きだと言い合って頬をくっつけ笑って撮った写真にも
こっそり映り込んでいた悲しい恋の去り際
君から貰った幸せはいつかは全部消して忘れて
それ以上の幸せをきっと見つけるから
Lu…………
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!