あたしは昔から悪い子だった。
高校生のクリスマスの夜、
あたしは兄に穢された。
🐿『怖がらなくていいよ』
🐿『彼氏いないんでしょ?』
🐿『今頃親友のミカちゃんも彼氏さんとこーゆーことしてるよ。』
あたしは強欲で負けず嫌いで、親友に彼氏がいるのを少しだけ妬んでいた。
それから、私の兄はすごくイケメンで、ハイスペックで、狡い男のひとだった。
昔から私のことを、好きだとか愛してるとか、冗談じみたことを言ってきたけど、
あの日は。
🐿『どうしてわかってくれないの?』
🐿『こんなに愛してるのに』
たしか、雪の降っていた日だっけ。
「やだ、寒いから脱ぎたくない」
って、駄々捏ねたのに
あっという間に甘いキスを落とされて、何が何だかわからなくなって、気がついたら
暖房もついていない寒い部屋で、2人で裸のまま絡み合って…
「オッパ、……」
奥に激しく突かれて、死ぬほど気持ちよくて…
それから、…………
🐿『あぁ、っ…出る…』
「まって、っ、ゴム、っ」
🐿『っ、うっ………!!』
あの人の欲がぜんぶ、流し込まれた。
🐿『あなたは、僕だけのものだよ…』
あのクリスマスの夜から1年。
今年のクリスマスは、私からオッパにプレゼントがあるの
『オッパ。』
『私、赤ちゃんできたの』
END
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。