姉さんは意地悪だ。
「へへっ、もーらいっ」
🐿『あ、僕が食べてたのに!!!』
って、食べてたお菓子横取りしてくる。
「いーじゃん、ポテチ3枚くらい!!」
🐿『貰う時に一言言ってよ!!』
「言ったじゃん、もーらいって!!」
って、小さい頃から喧嘩して親に止められてた。
姉さんは意地悪だ。
「何、テストで悪い点取ったって?」
🐿『………姉さんには関係ないから』
「あるよ!!だって私の弟でしょ!!!」
🐿『じゃあ姉さん、数学何点だったの!!』
「………………12点」
僕の事さんざん馬鹿にするくせに、姉さんの方が頭は悪かった。
姉さんは意地悪だ。
🐿『…………姉さん、なんで泣いてんの』
「……………あんたには関係ないでしょ」
🐿『あるよ!!だって僕の姉なんでしょ??』
「うるさいな!!!!出てってよ!!!!」
折角心配してあげたのに、僕には何も教えてくれなくて。
クッション投げつけられて、すごく痛かった。
姉さんは意地悪だ。
🐿『ステージIV、、、、!?』
👩『そうなの、、それで、』
👩『あと1ヶ月も持たないんだって………』
重い癌にかかってるってこと、僕にも、両親にも教えてくれなかった。
手術にお金がかかるなんて、そんな些細な理由で。
それに、もう見つかった時には手遅れだったんだって。
姉さんは意地悪だ。
「あのねテヒョン、」
「私…………本当は死にたくないんだ。」
🐿『…………』
「でもね、私の手術のお金使えばさ、」
「テヒョンがやりたかったこと、いくらでもできるでしょ?笑」
なんて、作り笑いして、でも姉さんの身体はもうボロボロで。
そんなの見てるこっちが辛いんだよ、姉さん。
姉さんは意地悪だ。
🐿『嫌だ、、、嫌だ、死なないで、』
なんて手を握っても、姉さんの目は開いてくれなかった。
心電図のモニターに線が引かれていく。
🐿『姉さんの意地悪っ、』
🐿『僕が姉さんのこと好きなの知ってたくせに……!!』
“ごめんねテヒョン。”
“私もテヒョンのことずっとずっと大好きだったんだ。”
“だから私の代わりに生きて。”
“私がしたかったことも代わりにやっといてよ。笑”
🐿『…………っ、ひぐっ、』
僕がしたいことは、全部姉さんが隣にいないと出来なかった。
姉さんと一緒に美味しいもの食べて、姉さんと一緒にいろんな所行って。
🐿『僕だけ……っ、置いていかないでよ、』
🐿『姉さんの意地悪……………っ、』
🐿『…………大好きだよ、姉さん』
🐿END🐿
なんだこれ(ぶち壊し)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!