ハンside
部屋でゆっくり曲でも作るかぁ、と思って機材の準備を始めたときにリノヒョンが部屋に来た。
機材の画面から目を離さずに生返事をしてから顔を上げると、顔色が悪くてフラフラした足取りのヒョンがいた。
一昨日あげたばっかりだけど、これでリノヒョンが元気になってくれるなら仕方ない。
おとなしく首元を差し出すと、すぐ全身に痛みが走った。
いつもより深く牙を入れられた気がする。
力も強い。
どうしよう、俺このままリノヒョンに血飲み干されて死ぬかもしれない。
覚悟を決めかけたとき、ヒョンがやっと離れてくれた。
僕の見解が正しければ。
リノヒョンの血を吸ったのはあなただ。
だってヒョン今日は外出してないはずだし、宿舎には今僕とヒョンジニとリノヒョンとあなたしかいないし。
あなたの契約者がイエニだと仮定すれば、血を吸いたくなったあなたがリノヒョンの血を吸ったのでは?という仮説が成り立つ。
これ、ヒョンに聞いていいのかな…
僕はいつでもヒョンのことをいちばんに考えてるよ。
だから契約だってしたし、ヒョンに求められればいつでも血をあげる。
何があったのか、深くは聞かないけど。
きっとヒョンは大好きなあなたのことを助けたんでしょ?
大丈夫。
ヒョンのことは、僕が支えるからね。