第92話

92・TH
2,047
2023/03/09 23:16






テヒョン
テヒョン
あなた、おまたせ



あいつが
僕のお願いを素直に聞き入れてくれたお陰で

あまり待たせずには済んだはずだけど


他にかけれそうな言葉は見当たらなかった





マシュマロから離れると

どうしていいのか分からないみたいで


立ち尽くしてる





それもそのはずだ

はっきりと言わないと伝わらないよね





テヒョン
テヒョン
あなた、ごめんね
テヒョン
テヒョン
もっと早く彼と話す時間を
もたないといけなかった



押さえ込んだ気持ちは

溢れ出したら止まらない


それは僕が1番よく分かってる


ここへあなたと話をしにきた時に

痛いほどに感じたんだから





テヒョン
テヒョン
僕はあなたが好き
愛してるよ
テヒョン
テヒョン
だから、ちゃんと選んで欲しい
テヒョン
テヒョン
どれだけかかってもいいから
話して、考えて...選んで?
テヒョン
テヒョン
あなたが幸せになれるように



(なまえ)
あなた
テヒョン...



僕の胸に自分から入ってきたあなた


背中に回った手は震えていて

肩も涙を流すタイミングで揺れる



テヒョン
テヒョン
僕はあなたの幸せを願ってるよ
テヒョン
テヒョン
彼を選ぶなら
僕の元へは帰ってきちゃダメだよ?
何年かしたら忘れるから...
心配しないで?





あなたの小さな身体を抱きしめてから


手を握って歩き出す





あなたの顔は見れない

きっと我慢できなくなる...






屋敷の扉の前で立つ男の元へ

あなたを導いた




テヒョン
テヒョン
...お願いしますね


ジョングク
ジョングク
はい



決心したような強い眼差し




あなたはもう
僕の元へは帰ってこないだろうな

そう思ってしまった







あなたにはもう何も言わない


声を出せば震える

そんな情けない姿は見せられない



(なまえ)
あなた
テヒョンッ...


あなたの縋るような声に

足が止まりそうになるのを必死で堪えた






あなた愛してるよ

愛してたよ


誰よりも1番大好きだった



僕が幸せにしたかった







僕を見つめてくれてる気がするけど

後ろは振り返らない




マシュマロに飛び乗って

来た道を引き返す




風に乗れば涙も乾くだろう

この悲しい気持ちも


涙と一緒に流れてしまえばいいのに















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