第131話

上書き②
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2021/01/17 04:19



あなた「おはようございますっ!」


黒尾さんに続いて体育館に入ると、既にほとんどの部員が来て準備を進めていた。


田中「おっ!あなた復活か!」


はい!と答え、昨日の私が倒れた後の試合の様子などを少し聞いていると、澤村さんに「なぁ、西谷がまだ居ないんだけど……知らないか?」と聞かれ、あぁまずいと急いで体育館を出る。


東階段の2階の……どこだっけ……、、


焦りまくってとりあえず東階段を掛け上ると、踊り場あたりに彼が立っていた。


あなた「すみませんっ、遅れました…!」


西谷「…、わりぃ、急に呼び出して。」


あなた「全然です…!」


西谷「……昨日さ、急に抱きしめたりして…、ごめん」

あなた「……?!」


西谷「なんていうか……自分以外の誰かがあなたに触れた、ってのがなんか嫌で、すっげぇ嫌で……あんまわかんねぇけど…、」


__上書き、したくなって。



”上書き”


『辛い過去なんか忘れるくらいの、恋、してみたらいいじゃん』


いつかリエーフに言われた言葉を思い出す。



大丈夫です、と伝えると、西谷さんは少し笑ってありがとな、と言った。


西谷「あー、それと…あなたに聞きたいことあってさ……」


あなた「……なんでしょう?」

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