第74話

近づけない
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2020/05/14 02:06

黒尾side


くっそ……なんだよ…


あなたに近づきたい、話したい、そう思ってもできない。


みんなが俺をあなたに近ずけないようにしている。


最終日なのに……あなたが宮城に帰ってしまう日なのに……


料理を作っているあなたの方を見ただけでも、
肩に頭を乗せている2人に睨みつけられる。


あなたの隣に行こうとしても、止められるだけ。


黒尾「やっくん〜…そろそろ離してもらえませんか〜」


夜久「あなたに手出すから絶対ダメ!てか、なんであなたと寝てたんだよ!おまえ絶対なんかしただろっ」



掴まれた腕は離れないまま。あなたの方に力ずくで行こうとしても、凄い力で引っ張られる。



監督が早めに練習を切り上げてくれたので、あなたも混ざっての試合を始めることになった。


犬岡「中学のときはポジションどこだったの?」


あなた「一応WS、レフトだったよ!」


楽しそうに犬岡と話すあなたを見て、嫉妬心が湧く。


とりあえずまだ動ける人だけでの試合、ということで5人ずつチームを分けた。












…………やっぱりな。


あなたとチームが別れるっていうのは、分かってた。


一緒になったら、話すチャンスがふえるとおもったのになぁ…







あなたside−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


同じチームになった研磨くんと合わせる練習を少しだけする。



床を蹴り、手を思い切り振る。


スカッ


研磨「あ…」


ストッと足を床に戻した。


あなた「ごめ、やっぱ男子のネット高いね…」


1年位やってなかったのもあったのか、ジャンプが全然駄目だった。


犬岡「あなた、身長低いのに結構飛ぶな!ビュンって!!」


ジェスチャーを使いながらビュンを表現する犬岡くんに苦笑しながら、何度かやって、やっと研磨くんと合わせることができた。

























猫又「そろそろやめにしろよー!」


スパイクはブロックに捕まり放題、ブロックは上から叩かれるなど、レシーブくらいしか良いところがなかった…と落ち込みながら、コートにいるときの背中の守りの安心感が凄いなぁなんて考えていた。


タオルで汗を拭いたあと、スマホを見るとメールが着ていた。


花巻貴大
花巻貴大
そろそろ着く
(なまえ)
あなた
了解
急いで駅行くね!
烏野のみんなや徹くんたちからのメールは置いといて、とりあえず目についたメッセージ画面を開いた。
松川一静
松川一静
お兄ちゃん甘やかしてやんなよ?
あなたに会えなくて寂しがって涙目になってたから笑
(なまえ)
あなた
マジか笑
ありがとね!
寂しくて涙目……あのお兄ちゃんが?


まっつんの冗談かな、とか考えながら視線を戻すと、携帯を持った皆が居た。


あなた「?」


連絡先交換しよ、と言われてくすぐったい気持ちでみんなと交換した。

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