第48話

やだね
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2020/04/25 05:00
黒尾side


あなたを連れ去ったのはコイツら…?

黒尾「誰だよお前ら…」

自分でも声がいつもより低くなったのがわかる。

花巻「あなたの兄。花巻貴大」

黒尾「兄……ッ?!」

あなたの兄…は?!マジかよ…っ

順に及川徹、松川一静、岩泉一と教えてもらった。

最後に黒尾鉄朗と短く挨拶し、本題に入る。

花巻「うちの妹を勝手に東京に連れてこられても困るんだよ」

黒尾「親御さんにはちゃんと許可を取ったんですど?」

花巻「親が許しても俺は許してねぇ……おわっ」

花巻貴大…の服が後ろからグイグイと引っ張られ、転びそうになっていた。

引っ張っていたのは、そいつの妹。

あなた「お兄ちゃん?なにしてんの!」

花巻「だからお前が勝手に東京ここに合宿行くとか言い出すのがいけねぇんだよ!第一電話ちゃんと出ろ!心配すんだろーがっ」

あなた「うるさいなっここでしかできないことだってあるんだから!あと電話何回もかけてこないで!1回かけたら後でかけ直すから!」

ギャーギャーと2人で喧嘩し出す。

あなたは体調大丈夫なのかよ…

残りの3人は苦笑したり呆れたり……

花巻「いいか?お前は今日俺らと一緒に宮城に帰るから準備しとけよ」

あなた「はあ?やだね!せめて音駒の合宿が終わってから!」

花巻「ダメに決まってんだろ!!帰るぞ!」

あなた「……」

いきなりあなたが黙り、下を向く。

あなた「あのねぇ……

花巻「あ?」

あなた「私もう高1なんだよ?何でもかんでもお兄ちゃんに決めてもらってハイハイ言う歳じゃないの!ここまで押しかけて来ないでいいから!そっちが帰れっっ」

黒尾「ぶふっ……‪w」

思わず吹き出してしまった‪w

あまりにも本気で兄に対抗するあなたが面白い。

最後にはべーっとして満足そうに笑うもんだから笑ってしまう。



……と、花巻兄がスマホを取りだし電話を始めた。

花巻「もしもし……あー、うん。逆に怒られたわ………俺今日ここ泊まって帰るわ。おー、じゃ。」

あなた「泊まって帰るってどういうこと…?」

花巻「そこに泊まって明日帰る。」

そこ、というのは多分俺らが宿泊している合宿所(旅館?)のことだろう。

これはまた…大変になりそうだ。

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