第111話

におい
6,034
2021/06/03 12:11
 

白布「だからここはこうやって解くって前言っただろ」


あなた「そうでしたっけ……」


白布「あのなぁ……」


ごめんなさいーと言いながら分かりやすい白布さんの解説を聞く。2日ぶりに会った白布さんと、今図書館でお勉強会をしている。


小テストするからな、と言われて10問の漢字の問題を出された。今日の朝や休み時間に頑張った甲斐があり、なんと全問正解することができた。


白布「…なかなかやるじゃん」


ぽんぽんと白布さんに頭を撫でられ、白布さんって意外に人との距離近かったりするんだな、なんて考えていると、白布さんがボソッと呟いた。


白布「お前の髪、いい匂いする…」


あなた「……へ?」


?「確かに、あなたの髪はいい匂いだよなぁ」


?「龍、あなたの髪はいい匂いにプラスでサラサラでつやつやだろ!」


?「確かにそうだなノヤっさん!!」


聞き覚えのある声に後ろを振り向くと、後ろで何やら言っている西谷さんと田中さんがいた。


あなた「おふたりとも、ここ図書館なので静かにしないとダメですよ…!」


というか何してるんですか、と聞くと、珍しく勉強をしに来たらしい。どかどかと私たちの横に座ると、田中さんが白布さんに聞こえないくらいの声で私に聞いた。


田中「アイツってあなたの彼氏だったりしねーよな?!(小声)」


あなた「んなっ……違いますよっ」


田中さん同様に小声で返すと、田中さんは安心したように西谷さんにグッドサインを送った。


2人がしばらく鞄をゴソゴソと漁っているのを眺めていると、田中さんが課題持ってくるの忘れた!!と立ち上がり、図書館のカウンターに座っている人に注意されながら走って家に戻っていった。


本当に勉強するために図書館来たんですか……

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