白布「だからここはこうやって解くって前言っただろ」
あなた「そうでしたっけ……」
白布「あのなぁ……」
ごめんなさいーと言いながら分かりやすい白布さんの解説を聞く。2日ぶりに会った白布さんと、今図書館でお勉強会をしている。
小テストするからな、と言われて10問の漢字の問題を出された。今日の朝や休み時間に頑張った甲斐があり、なんと全問正解することができた。
白布「…なかなかやるじゃん」
ぽんぽんと白布さんに頭を撫でられ、白布さんって意外に人との距離近かったりするんだな、なんて考えていると、白布さんがボソッと呟いた。
白布「お前の髪、いい匂いする…」
あなた「……へ?」
?「確かに、あなたの髪はいい匂いだよなぁ」
?「龍、あなたの髪はいい匂いにプラスでサラサラでつやつやだろ!」
?「確かにそうだなノヤっさん!!」
聞き覚えのある声に後ろを振り向くと、後ろで何やら言っている西谷さんと田中さんがいた。
あなた「おふたりとも、ここ図書館なので静かにしないとダメですよ…!」
というか何してるんですか、と聞くと、珍しく勉強をしに来たらしい。どかどかと私たちの横に座ると、田中さんが白布さんに聞こえないくらいの声で私に聞いた。
田中「アイツってあなたの彼氏だったりしねーよな?!(小声)」
あなた「んなっ……違いますよっ」
田中さん同様に小声で返すと、田中さんは安心したように西谷さんにグッドサインを送った。
2人がしばらく鞄をゴソゴソと漁っているのを眺めていると、田中さんが課題持ってくるの忘れた!!と立ち上がり、図書館のカウンターに座っている人に注意されながら走って家に戻っていった。
本当に勉強するために図書館来たんですか……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!