西谷「…わ、りぃ。カッとなって…」
大事な幼馴染に酷いこと言ってごめんな、と弱々しく言うので、全然大丈夫ですと手を左右に振ると、戻るか。と言って入口に2人で歩き出した。
あなた「あのっ、さっきの!試合でのレシーブっ、凄かったです!」
西谷さんのレシーブを思い出し、前のめりになりながら褒めると、だろ?とにししと笑って言った。
西谷「明日もスーパーレシーブたっくさん決めて____勝つぞ!!」
やる気と希望に満ち溢れた瞳は、キラキラと輝いており、西谷さんの今日までの活躍やみんなを元気づける言葉も含めると、私の胸をときめかせるのに充分だった。
『心配することなんか何も無え!!皆 前だけ見てけよォ!!』
『背中は 俺が護ってやるぜ!』
西谷「…あなた?」
あなた「〜っ、はい!勝ちましょうっ」
ニカッと笑う顔は、まるで太陽みたいで、いつの間にか鼓動がトクトクと速まっていった。
花巻side┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
街灯に照らされながら手を繋いで歩くカップルを見ていると、コンコン、と音がしてドアの方を向くと、「入っていい?」とあなたの声が聞こえた。
返事をすると、部屋に入ってきたあなたは、ベッドに座った。
あなた「あのさ…「明日のこと、だろ?」
被せて言うと、少し驚いたような表情を見せたあと、こくっと頷いた。
花巻「どっちが勝っても、どっちが負けても、恨みっこ無し。な?できるだけいがみ合いたくないし」
つっても、敵同士だからどうせなるだろうとは思うけど。と続けると、あなたはすくっと立ち上がり、俺の目を真っ直ぐ見つめた。
あなた「明日…………負けない、から」
花巻「_____おう!」
結局、敵視されるよな…。
部屋から出ていくあなたを見ながら、そんなことを考えた。
あなたside┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
……敵視してる訳じゃない。
寧ろ応援したいし、いっその事烏野も青城もどっちも勝てばいいのにって思う。
牛若を倒したいと言う、はじめくんや徹くん、お兄ちゃんを含めたみんなにも、全国に行って欲しい。___でももちろん、烏野も、勝って欲しい。
澤村さん、菅原さん、旭さん、清水先輩、田中さん、西谷さん、縁下さん、木下さん、成田さん、影山、日向、月島くん、山口くん。
みんなが、好きだ。大好きだ。
優しくて、面白くて、かっこよくて、何よりバレーが好きで………
三回戦。明日も勝って次へ行く!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。