第91話

宣戦布告
7,880
2020/07/02 11:15



西谷「…わ、りぃ。カッとなって…」


大事な幼馴染に酷いこと言ってごめんな、と弱々しく言うので、全然大丈夫ですと手を左右に振ると、戻るか。と言って入口に2人で歩き出した。


あなた「あのっ、さっきの!試合でのレシーブっ、凄かったです!」


西谷さんのレシーブを思い出し、前のめりになりながら褒めると、だろ?とにししと笑って言った。

西谷「明日もスーパーレシーブたっくさん決めて____勝つぞ!!」


やる気と希望に満ち溢れた瞳は、キラキラと輝いており、西谷さんの今日までの活躍やみんなを元気づける言葉も含めると、私の胸をときめかせるのに充分だった。

『心配することなんか何も無え!!皆 前だけ見てけよォ!!』

『背中は 俺が護ってやるぜ!』


西谷「…あなた?」

あなた「〜っ、はい!勝ちましょうっ」


ニカッと笑う顔は、まるで太陽みたいで、いつの間にか鼓動がトクトクと速まっていった。


花巻side┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


街灯に照らされながら手を繋いで歩くカップルを見ていると、コンコン、と音がしてドアの方を向くと、「入っていい?」とあなたの声が聞こえた。

返事をすると、部屋に入ってきたあなたは、ベッドに座った。


あなた「あのさ…「明日のこと、だろ?」


被せて言うと、少し驚いたような表情を見せたあと、こくっと頷いた。


花巻「どっちが勝っても、どっちが負けても、恨みっこ無し。な?できるだけいがみ合いたくないし」


つっても、敵同士だからどうせなるだろうとは思うけど。と続けると、あなたはすくっと立ち上がり、俺の目を真っ直ぐ見つめた。


あなた「明日…………負けない、から」


花巻「_____おう!」



結局、敵視されるよな…。

部屋から出ていくあなたを見ながら、そんなことを考えた。







あなたside┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


……敵視してる訳じゃない。

寧ろ応援したいし、いっその事烏野も青城もどっちも勝てばいいのにって思う。


牛若を倒したいと言う、はじめくんや徹くん、お兄ちゃんを含めたみんなにも、全国に行って欲しい。___でももちろん、烏野も、勝って欲しい。





澤村さん、菅原さん、旭さん、清水先輩、田中さん、西谷さん、縁下さん、木下さん、成田さん、影山、日向、月島くん、山口くん。

みんなが、好きだ。大好きだ。


優しくて、面白くて、かっこよくて、何よりバレーが好きで………



三回戦。明日も勝って次へ行く!

プリ小説オーディオドラマ