第145話

answer
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2021/05/13 09:56
昨日の大雨と雷の嵐は嘘だったかのような晴天。


カーテンの隙間から差し込む日光が眩しい。


3人分の布団をたたみ、端に寄せる。
夜久衛輔
夜久衛輔
……?
あなた
夜久さん?どうかしましたか、?

スマホの画面とにらめっこする夜久さんに、眠い目をこすりながら話しかける。
夜久衛輔
夜久衛輔
いや…俺夜中に電話したっけ?


ほらと画面をこちらに向けて、夜久さんの指の先には今日の日付と『研磨 通話着信 1:16 10分16秒』の文字が表示されている。









あなた
えっと…私がかかってきた電話間違えてでちゃって……

そういうことか、などと会話をしていると部屋のドアが勢いよく開いた。
花巻貴大
花巻貴大
朝飯食わねーなら俺が全部食うけどー?
それはダメと声を揃え、リビングに向かう。








おはよう、と言ってリビングに入ると何やらドタバタとしている煌さんが目に入った。


煌
!衛輔、あなたちゃんおはよう。
突然だけど俺ん家の方に急用ができて……衛輔、朝食は向こうで食べよう、10分後ぐらいにはもう出発するから、用意しといてね、。
一つため息をつき、ハイハイと返事をした夜久さんはお父さん、お母さん、お兄ちゃん、それから私、と順番に丁寧にお礼を言ってくれた。


夜久衛輔
夜久衛輔
あなた、ちょっといいか?
荷物を取りに行く夜久さんに着いていく。







2人の廊下を歩く足音と、煌さんたちの声が聞こえる。
夜久衛輔
夜久衛輔
改めて、ありがとな。
ポンポンと頭を優しく撫でられる。


くすぐったいような心地良いような、優しさに包まれるような感覚に、顔がほころぶ。


なんだよその顔、とつられて夜久さんも微笑む。












ああ、もうこのままでいたい。



なんて想いは言葉でも体でも表せず、事は進み始める。


夜久衛輔
夜久衛輔
その…さ、自分勝手で悪い、けど___教えて欲しい。
気まずそうにしながらも、しっかり目を見て真っ直ぐに伝えてくれる。夜久さんらしい言葉や凛とした目。


どうすればいいのか、と思うのと申し訳ないのと嬉しいのと、気持ちがごちゃごちゃになっていく。




俯いてみるも答えがあるはずも無く、顔を上げると互いの視線が交差する。


あなた
…私、夜久さんの見とれるほど綺麗なレシーブと、頼もしいプレーが大好きなんです


よく分からないままに、そう言って沈黙と気まずさを破った。



そっちの好きじゃない、そう思われるのは分かっていたがなんと言えばいいのかが分からなかった。


あなた
安心する背中も優しく撫でてくれる大きな手も……。


でも____。








































あなた
好きとか恋とか、わかんなくなってきて……






















夜久side┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





そう。あなたにはトラウマがあった。
前に、過去の辛い話をしてくれたのを覚えている。




あなた
ごめんなさい…、こんな答えしか出来なくて…。
あなた
リエーフに新しい恋、と言われてからポジティブに恋愛を捉えてたつもりだったんですけど、やっぱり分からなくて…


まるで自嘲するかのように無理やり笑うあなたを見るのが辛かった。























































『だから……ごめんなさい。』




キッパリ断ってくれる所もやっぱり好きだと思った。





『でも……嫌いだとか全く思ってないのでっ、これからも仲良くして欲しい…です……』



結局うまく断れてないところも、やっぱり好きだと思った。

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