あなた「ん………」
白い天井、白いカーテン、ベッドの横にちょこんと座り「あ、起きた」と声を出した夜久さん。
あなた「え、、夜久さん……なんで」
夜久「お前が急に倒れたから、審判役のチームの空いてる人があなたの世話役になってるんだよ。黒尾に聞けば熱中症かもって言ってたけど、大丈夫か?」
そうだ……私、確かふらふらしてて、、黒尾さんと研磨くんに声をかけられた辺りから何も覚えていない。
そんな私を……空いている人とはいえ、春高に向けての大事な時間を奪っているのは間違いない。
あなた「っ…すみません、今は大分良くなりました」
夜久「おい、いつもの元気さはどこに行ったんだよ」
夜久さんはそう言って苦笑すると、ぽんぽんと私の頭を撫でた。
あなた「だって……夜久さんたちの練習時間を…」
夜久「なーに変なこと気にしてんだよ」
そう言って夜久さんは私のおでこにデコピンすると、今度は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
夜久「いいか?お前は前にも倒れたことあるし、色々と心配だから、とりあえず寝てろ」
あなた「……はい ひゃっ、な、なんですかこれ…」
ピタッと乗った冷たい感触に思わず高い声がでる。
夜久「おい動くなって。まだ治ってねぇから。
水持ってきてやるから待ってろ」
出て行った夜久さんの後ろ姿を見ながら、音駒の守護神はお母さんみたいだな、なんてぽわぽわする頭で考えた。
微かに聞こえる体育館からの声や音。
熱い体。
冷たい熱さまシート。
誰かの優しい声。
「寝てる……よな?」
「__お前のこと、好きだから」
「お前の笑顔が大好き……だから、早く治せよ」
最後、頭にふわっと触れた手の感触は、優しくて温かくて、大きかった。
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プロフィール見てくれた方は気づいたかもですが……長い間投稿できずにすみませんでした💦
言い訳っぽくなるんですけど、足怪我して毎日整骨院通いで時間なくて……
切り替えて頑張るので、これからもよろしくお願いします…っ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。