第93話

夜中のコール音
7,434
2020/07/11 05:35


はぁ……とため息が漏れた。私の寝そべっているベットのシーツは、涙で少し濡れている。



最後の、日向と影山の、変人速攻。

日向の打った先には、分厚い3枚ブロックが立ちはだかっていて。

ブロックに跳ね返されたボールは、レシーブに飛び込んできた3人には触れず、吸い込まれるようにストンと烏野コートに落ちた。




母「あなた?ご飯いる?」

私の気持ちを察したのだろうお母さんが、控えめにドアをノックした。


いらない、とだけ答え、布団を頭から被った。










…ルル……トゥルルル…


あなた「ん……」

夜中、空腹とコール音で目が覚めた。気づいたら、寝てた…


部屋に響くコール音を頼りに暗闇からスマホを探し、液晶画面を見ると、何故か『はじめくん』からかかってきていた。



あなた「もしもし……明日も試合のあるはじめくんはもう寝たほうがいいんじゃない……?」

岩泉『その声は寝起きだよな…起こしてわりぃ』

あなた「んーん、大丈夫」

岩泉『…明日、決勝で白鳥沢と当たる。』

あなた「…っ、、勝ってね、絶対。応援してるから」

岩泉『…サンキューな。それと____』

あなた「?」

岩泉『っ〜!いやっ、なんでもねぇ。』

またな!と言ったはじめくんの声の後、ツーツーと電子音がなり、電話が切られたことに気づいた。


それと____に続く言葉。


なんだろう。

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