はぁ……とため息が漏れた。私の寝そべっているベットのシーツは、涙で少し濡れている。
最後の、日向と影山の、変人速攻。
日向の打った先には、分厚い3枚ブロックが立ちはだかっていて。
ブロックに跳ね返されたボールは、レシーブに飛び込んできた3人には触れず、吸い込まれるようにストンと烏野コートに落ちた。
母「あなた?ご飯いる?」
私の気持ちを察したのだろうお母さんが、控えめにドアをノックした。
いらない、とだけ答え、布団を頭から被った。
*
*
*
…ルル……トゥルルル…
あなた「ん……」
夜中、空腹とコール音で目が覚めた。気づいたら、寝てた…
部屋に響くコール音を頼りに暗闇からスマホを探し、液晶画面を見ると、何故か『はじめくん』からかかってきていた。
あなた「もしもし……明日も試合のあるはじめくんはもう寝たほうがいいんじゃない……?」
岩泉『その声は寝起きだよな…起こしてわりぃ』
あなた「んーん、大丈夫」
岩泉『…明日、決勝で白鳥沢と当たる。』
あなた「…っ、、勝ってね、絶対。応援してるから」
岩泉『…サンキューな。それと____』
あなた「?」
岩泉『っ〜!いやっ、なんでもねぇ。』
またな!と言ったはじめくんの声の後、ツーツーと電子音がなり、電話が切られたことに気づいた。
それと____に続く言葉。
なんだろう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。