第160話

隣に居たい
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2021/11/04 10:48


?side┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



あなたのことが心配になり、頭の整理が追いつかないままいきを切らしながら探した。





やっと見つけたと思えば、あなたは男の腕の中だった。




ああ、少し遅かった。



目に涙を溜めたあなたと、先程の食堂での西谷さんの様子を見て、なんとなく察した。





やっぱりあなたは、あの人のことが好きだったんだ。




なんとなく、そうなんだろうなとは思っていた。





ただ、今まで理解はできていたはずなのに、納得は出来なかった。


「俺にしろよ。」


黒尾さんが、彼女の身体をぎゅっと抱きしめているのが見えた。



陰からコソコソ覗いていたが、我慢の限界でそこから飛び出した。
あなた
へ…、月島くん__?

自分でも、何故この雰囲気で2人の前に出てきてしまったのか分からなかった。
月島蛍
月島蛍
……チョット。あなた、
慌てたように離れた黒尾さんとあなたを見て少し不快になりながら、それ以上の不快の原因である二人の距離を広げるべくあなたの服の裾を引っ張った。
あなた
わ__!
強く引っ張りすぎたのか、あなたはこちらによろけ、身体が僕の胸にダイブした。






黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
_、
鋭く光る視線が飛んできた。


と思えば黒尾さんは頬をかきながら気まずそうな笑みを浮かべた。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
…さっきの聞いちゃった?
月島蛍
月島蛍
……夕飯、二人の分だけ一応残ってます




















あなたside┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


微妙な雰囲気が流れたまま食堂に向かうと、仁花ちゃんや日向、研磨くんが残っていた。
谷地仁花
谷地仁花
あ!あなたちゃんっ!


ご飯いらないって聞いたけど、やっぱりお腹空くかな〜と思って…一応用意してたんだけど……


そう言ってくれた仁花ちゃんの優しさにまた涙が出そうになる。
あなた
仁花ちゃん…!ありがとう。
少し冷めてしまった遅めの夕飯を頬張っていると、日向と研磨くんが心配そうに顔を覗き込んできた。
日向翔陽
日向翔陽
なあ、あなた…?
また何か体調悪かったりする、のか?
孤爪研磨
孤爪研磨
あなた……、本当に何もないの?
あなた
体調は大丈夫だよ!それに特に何も無かったし…
あなた
…ってあれ、黒尾さんは?
孤爪研磨
孤爪研磨
?クロはまだ戻って来てない、けど…
え、



確か一緒に食堂に来たはずなのに……。



日向翔陽
日向翔陽
?あなたが気になるなら、オレ探してくる!
あなた
あ、ちょっ…日向?!
ゆっくり飯食っとけよ!



眩しいくらいの笑顔を向けながらかけて行ってしまった。























黒尾side┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



あなたの後ろについて食堂に行く途中、あなたの想い人烏野のリベロが第一体育館にいるのを見つけた。


あなたに黙って、なんとなく、声をかけてみた。




二人で体育館の入口の階段に座った。
夕
どうかしたんスか?
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
んーや、特に用はなかったんだけど…
ちょっと話してみたくてさ。
夕
オレも…気になってること、ありました
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
…羨ましいって思ってな
あなたに好かれることだけじゃない。



言い出せばキリがないけど、一番はあなたからの告白を、恋をよく理解しないまま振るような__そんなもったいないことをできるのが羨ましい。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ホント、羨ましい…
夕

あなたが俺のことを好きでいてくれたら……




でも、彼女は幸せでいて欲しい。



俺ができることなら___





あなたのためなら___














黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
“恋”と“憧れ”は、全然違うからな。





最後にそう伝えると、「チビチャン」が走ってきた。
日向翔陽
日向翔陽
あ、いた!  黒尾さーん!
「あなたが黒尾さん居ないからって心配してましたけど…」

















あなたには幸せになって欲しい。



















でもやっぱり、その隣で一緒に幸せになるのは俺がいい。

黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ん、すぐ行く
夕
…、

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