第81話

恋愛事情
9,169
2020/05/30 01:42


花巻「なぁ、あなた」


あなた「なに?」


下校のときもちゃんと送ってくれるお兄ちゃん。


人が少ない時間で騒がれたりしないから取り敢えずラッキー…かな?


まぁ、暗い時間に一人で帰るのはちょっと怖い…し。


校門で待っていたお兄ちゃんと合流し、街灯が照らす道を歩く。


「あのさ…」と珍しく真面目な表情で言うお兄ちゃんは、目を逸らしながら言葉を紡いだ。



花巻「送ったりするのこれは、別にお前が恋人を作らない様にする為……とかじゃねぇから」


あなた「……うん。ありがとう」


正直、そう考えていた。


恋人を作らせないようにする為、だと__

でもそれは悪い意味じゃなくて、私のことを思って…傷つかないようにって思ってくれていたんだと勘違いしていた。


勘違いではあったけど、お兄ちゃんの優しさと気遣いは変わらない。


もう一度……今度は丁寧にありがとうと言って、窓から明かりの漏れる家のドアを開けた。














”恋人を作らない様にする為……とかじゃねぇから”


……じゃあ何の為?


____決まってる。



私を晴樹に、会わせないようにするため。




ピロンと通知のなった携帯を手に取り、女子高生らしい会話や文面に溢れたその画面を開く。



聖奈
聖奈
あなたー!朝の長身の子とどんな関係なの??
朝の長身の子……影山のこと、か。
あなた
部活が同じだけ!何も無いから変な噂流さないでよね?笑
聖奈
聖奈
わかってるよ〜笑
何も無いのか( ˘-з-)チェッ あなたは好きな人とかいないの?
好きな人……
あなた
今はいないよ
久々に会った晴樹は変わってしまって……


それでもバレー部の皆は私を良くしてくれて…


距離感なんか全くわかってない奴も居るけど、それでも一緒にいるのが楽しい仲間たち。











『女子高生なら、もっと恋愛してもいいんじゃない?』


少し前に従姉妹に言われた言葉。


女子大学生でイケメンの彼氏を持っている。












傷つくことをわかっていても、それ以上の大きさの幸せがある…はず・・の恋愛。


その幸せを、たとえ傷ついたとしても…求めてもいいだろうか。


































((語彙力、今日も無さすぎ…

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