大きな白鳥の像。それを前にしてたっていると白布さんを発見。
あなた「あ、白布さんっ」
誰もいないことを確認し、ブンブンと手を振るとその手をぐいっと引っ張られ白布さんの胸にぽすん。
あなた「なっ…白布さ「いいから」」
白布「ちょっと黙ってろ。」
耳元で囁かれ、脳に白布さんの声が響く。
丁度夕日が綺麗な時間、カップルが並んで歩く影が目に入り若干気まずくなりながら壁の影に隠れている私たちだけ、時間の流れが遅く感じる。
いつまでこの状態で___と思って白布さんの顔を覗いてみると珍しく顔が少し赤らんでいて、何故かこちらも紅潮してしまう。
「俺はっ!!」
突然聞こえた声の方を見てみると工、天童さん、牛島さんの三人が通りかかってきた。
そういえば見つからないようにって言ってたな、でもこんなに隠れる必要ある?とか考えていると工がまた喋りだしたので耳を澄ませてみた。
五色「俺は!!牛島さんよりも強くなってみせます!!!」
天童「工~、それいつも言ってるけど飽きない訳?」
五色「…あなたに、俺も強いって認めて貰うので。あなたの憧れだった牛島さんに俺が勝ったら、牛島さんじゃなくて俺のこともちゃんと見てくれるはずだから……!!」
天童「ふ~ん…そんなにあの子のこと好きなんダ~!─────だってよ、あなた」
あなた「え…」
急に声が近くなったし、自分の名前が連呼されるので顔を上げると目の前には天童さんの顔。
天童「そこに隠れててバレないとでも思ったノ?」
なんて笑いながら言う天童さんと、隠れていたことにはじめて気が付き驚く工と牛島さん。
どうしたらいいか分からず白布さんの方に目を向けると仏頂面をしていて。
白布「すみません、今日は2人での用事があるので」
私の右腕をぐいぐい引っ張る白布さんはスタスタともう歩き出していたが、私の左手を掴み、「ちょっと待ってください」と声を上げた工によってその足の動きはぴたっと止まった。
白布「…お前に関係ねぇだろ。」
五色「ありますっっ!俺はあなたの幼馴染なので!!」
バチバチと音がするように感じるほどの圧でお互いを睨む工と白布さん。
俺置いてかれたけど修羅場になっちゃった、とか言ってる天童さんだけど、3秒後に突然現れた人物とその人物が発した言葉で空気は余計重苦しくなった。
二口「お前何言ってんの。コイツの本当の幼馴染は俺だ。お前はあなたの何も知らねぇだろ」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。