第14話

添削する私。
104
2020/11/15 03:35
今日も、40分かけて移動する。
電車の中で、今日見た夢をふと思い出した。
やっぱり灯君は、遥花と付き合うんだろうな…
だって、私には幻滅したもんね…。
と、悲観的な考えをしながら、窓の外を見る。
相も変わらず、景色は"冬色"だった。




……もう昨日の失態が噂されているのだろうかと、少し怯えながら学校についた。
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
どうだった!?
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
え、いや…うん
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
えぇー!!なんなのさ!!
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
早く言ってよー!
と、私の肩をブンブンと揺する。

この様子じゃ私の昨日は知られてなさそうだ。


ごめんね。満儚。
まだ私、あの事は隠しておきたいの。
関係を、壊したくないから。
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
あーもう!先生来ちゃったじゃん!
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
早く教えてよねっ
少し、笑いながら怒り気味で満儚は自分の席へと着いた。
先生
じゃあHR始めまーす
_一条@いちじょう_ _恋々@ここ_
一条いちじょう 恋々ここ
きりーつ
_一条@いちじょう_ _恋々@ここ_
一条いちじょう 恋々ここ
れい
_一条@いちじょう_ _恋々@ここ_
一条いちじょう 恋々ここ
着席
今日も普段と変わらない学校生活が始まった。

満儚はいつも通り話しかけてくるし、私と灯君も休み時間に話す。
でも、1つ変わったことがある。

それは、遥花が私のことを『結々乃』と呼ぶようになったことだ。

これには、灯君も気づいたようで、『仲直りできたんだね。』と言っていた。
そして、5時間目の英語のとき。

今日は、英作をして隣の人の文を添削するというものだ。
なんでも、先生は客観視できるようになるためだと言う。
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
はい。できた
私は灯君にノートを渡す。
_紺野@こんの_ _灯@とう_
紺野こんの とう
はい
と、灯君もノートを渡してきた。

今日のテーマは昨日の夜ご飯について。
他にテーマはなかったのかと、ツッコミたくなる。

私は昨日、食べずに寝たからその日の朝ごはんのことを書いておいた。

灯君のノートに書かれている英文は、文法からスペルまで全てあってた。
最後の一行に目を通す。
どうせ、この行も完璧なのだろう。

すると、そこには

『やっぱり結々ちゃんが好きだ』

日本語でそう書いていた。
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
添削どころじゃないよ
そもそも英文で書いてない時点で、添削にもならない。
でも、嬉しかったから、返事を書いた。

『私も』

と、日本語で。

隣の灯君を見ると、少し赤くなっていた。

先生
添削が終わり次第返してあげてください。
そういったので、私はノートを灯君に返す。
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
はい
_紺野@こんの_ _灯@とう_
紺野こんの とう
ありがと
灯君は、こちらを少し見てはにかんだ。

そして、私のノートには

『今日の放課後、デートしよう』

という文字。
消すにも消せなくて、この英語のノートには、場違いな日本語が残った。



***
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
おめでと、結々乃!幸せにね
遥花は、帰り際にこんなことを言った。
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
…ありがと!
遥花の周りの女子たちも普段は私に冷たい目線をくれてやるのだが今日は、『最近有宮さん明るいよね』と言っていた。

何も、大人しくなる必要なんてなかったんだ。
明るくいるのが1番だったんだよ。









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