あれから、数日が経った今朝。
学校ではこんな噂がたっていた。
『昨日の放課後、生徒会長の倉科遥花が、紺野灯に告ったらしい』
当然、私は知らなかったし、満儚が教えてくれなければ、知れなかった。
そこで、私は焦り始めた。
あの日に言っておけば、、、
とても、後悔した。
満儚は、笑った。
私は、笑えない。灯君は私が小学校から大好きな人だ。
一族だろうと、関係ない。
私も…行かなきゃ!
三日月に願ったように、勇気を持て!!私!
と、冗談言うのはやめてよね。と笑っていた。
私は、恥ずかしくなる。
満儚に嵌められたー!
ぷいっと私は窓の外を見る。
ごめんってー!と満儚は謝ってきたので、わかったわかった。と流した。
『普通すぎてつまんないー』と、満儚はおどけて言った。
今日の1時間目は英語。
あの、Make a wish to a shooting star ─流れ星に願いを─の感想文を提出しなければならない。
何故か今ならあの文章、分かる気がする。
嫉妬する理由も。私だけを見てほしい理由も。この小説を高校生でする理由も。
***
感想文を書いて少し、私は告白しようという気持ちになった。
もう、今日決行しよう。
休み時間、私は灯君に話しかける。
いつもより、少しだけ明るく。
少しだけ、灯君が嬉しそうに見えたのは私の気のせいかな…?
結々乃が灯君を誘ったぁぁ!!
私は、心なかで喜ぶ。
正直、あの二人のことはもどかしかった。
ちょっと手助けでもしようかな……
ふふっ、楽しみ。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。