第3話

読み合う私。
141
2020/11/07 21:47
タイトルを見たが、どうやら恋愛小説のようだ。

私は英文を読む。
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
I loved you,but───
──私は大好きだった、しかし───
『君の心は、私じゃなくて他の誰かに向いていた。
“私を見てほしい。”そう言えたら。
“あなたが好き。”そう言えたら。
でも、そんなことは言えないから、君に振り向いてもらえるまで、私はさり気なくアピールする。お願い。気付いて。
私の努力に。

───私の気持ちに。』
先生
Thank you.
──ありがとう
読み終えて、

『高校生の英語の教科書に載る内容じゃないよね』

と、心の中で一人つっこむ。


すると先生は、
"嫉妬するまでに大好きな人があなた達にはいますか?"
と聞いた。

クラスの反応はまちまちで中には、目を合わせてる人や頷く人がいた。

私は─────



***


休み時間になるとクラスの皆には評判だったようで図書館に消えていった人が数人いた。

次の時間は、実験教室なのに。
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
結々乃ちゃん!
しばらくして、遥花が話しかけてきた。
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
…何?
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
さっきの英語の教科書に載ってた恋愛小説『Make a wish to a shooting star──流れ星に願いを』借りてきちゃった!
『英語の教科書は第一章しか載ってなかったからね』
と、言いながら遥花は、私に本を見せてきた。
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
私はね、嫉妬するまでに大好きな人がいるんだ
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
そう…
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
結々乃ちゃんは?
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
…私?
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
私は─────
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
…いないよ
いるけど、言うのはやめた。
勘違いされても困るから。
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
そっか。
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
次は生物だよ!
_倉科@くらしな_ _遥花@はるか_
倉科くらしな 遥花はるか
実験だから、遅れないようにしてね!
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
わかった
『じゃあね!』と言って、遥花はクラスの活発系女子たちと行った。

活発系女子たちは、最初私に冷ややかな目で一瞥したが、遥花が来た途端、私に興味がなくなったように彼女に向けて笑っていた。
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
結々乃、私らも行こ?
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
うん
今、話しかけてきた二ツ葉ふたつば 満儚みくらは、私の従姉妹。

中学までは、別々のところに通っていたけど、選んだ高校がたまたま同じだった。

だから、この子はまだ私の犯した黒歴史を知らない。
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
ほんと、結々乃ってテンション低いよねー
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
それじゃあ、彼氏できないよ?
『せっかく可愛いのになー』

と、満儚みくらは、ぼやきながら私の生物の教科書を手にとった。
_二ツ葉@ふたつば_ _満儚@みくら_
二ツ葉ふたつば 満儚みくら
ほら、行くよ?
_有宮@ありみや_ _結々乃@ゆゆの_
有宮ありみや 結々乃ゆゆの
うん…!
私は、彼女の性格に救われている。

だからこそ、あの事は知られたくない。

満儚の私に向ける笑顔も言葉も性格も。
壊したくない。
壊れたくない。








▶next

プリ小説オーディオドラマ