皆大好き(?)動物病院の帰りです。
ライ用のケージを買うまで、と貸してくれたケージの中で拗ねているライ。
信号待ちの時に中を伺うと、下がり眉のため拗ねている訳ではなく、罪悪感…なのだろうか。
そりゃそうだ、自分で言うのもなんだが、あんな状況からものの一日で至れり尽くせりなのである。
湿った風が吹いてきたのでライも濡れたら寒いだろう、と早足で歩くことにする。
マンションが4ブロックほど先に見えたとき、ケージに雨粒の当たる音がした。
時既に遅し、ざぁざぁと夕立に降られる。
ここで、すぐに隣のビルに入ればよかったのだ。
もう少しの距離だから、とケージを脇の下に抱え、マンションめがけて走り出した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!