あっ、あたしの自己紹介まだだよねっ。眠いけど、やっちゃいます。
あたし、ユン・あなた、高校1年生。
親友のジユに比べて、容姿は平凡⋯⋯ってか、中の下かな。
ジユが、美少女と賞されるなら⋯⋯あたしはその真逆。
背中まである長い黒髪を三つ編みにして、分厚いメガネをかけてる。
うちの学校の制服はブレザーにネクタイなんだけど、あたしの場合は、シャツは第1ボタンまでしっかりと留めて、ネクタイを緩めることは無い。スカートはもちろん膝下丈。
そう。かなりの地味子。
この地味なカッコは、両親の命令で小学生の頃から始めた。
地味子歴は10年ってこと。まぁ、もう慣れたし⋯⋯いいんだけどね。それに、自分のブサイクな顔を世間にさらしたくないしね。
でも、できるなら⋯⋯あたしだって、クラスの女の子達みたいに、キレイでカワイイ女子高生生活を送ってみたい。この容姿じゃ無理だってことは、十分分かってるんだけど。
そもそもなんであたしが地味子をやってるか? それはある"仕事"をしているためなんだ。
この仕事は、普通の人間には秘密。もしバレたら、あたしは"あるモノたち"から命を狙わねかねない。
そのために地味で目立たないように過ごしてる。本当は勉強と運動も人よりできるんだけど、劣ってるように見せなきゃならないの。
簡単にあたしの自己紹介をするとこんな感じ。
あたしがしている"仕事"については、また後ほど。
Next➥
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!