第15話

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2020/11/14 05:16
翌朝、昨日とは違い⋯⋯十分に睡眠がとれたので、目を擦ることもなく、学校へ向かう。


U
おはよ。ジユ



教室に入って挨拶すると、ジユがあたしの席に近づいてきた。


ジユ
ジユ
おはよう。あなた



ニコリと微笑む。


はぁ〜、もうカワイすぎる⋯⋯。


そのカワイさ、あたしに少しでいいから分けてください!


ジユ
ジユ
昨日の放課後、アレやったの?



あたしがジユに見とれていると、ズイッと顔を近づけられ、心配そうに聞かれた。


U
やったよ、家庭科室でね
ジユ
ジユ
ケガしなかった?
U
うん。調状はちゃんとできたし、ケガもしてないよ。けど⋯⋯
ジユ
ジユ
けど? なんかあった?



首を傾けながら、たずねてくる。





U
はぁ〜。⋯⋯1人の男子生徒にバレちゃったんだよね



ため息とともに告白。


ジユ
ジユ
えぇぇぇー! 誰に?



ジユはもともと大きな目を、さらに大きく見開いている。


U
えっと⋯⋯確か⋯⋯あれ? 一晩で忘れ⋯⋯あっ! キムテヒョンっていう人!
ジユ
ジユ
⋯⋯はぁああああ〜!?



やっと思い出したのに、いきなり大声を出すからビックリした。


あたしはあわてて会話を聞かれてないか周りを見る。


クラスメートはみんな朝のおしゃべりに夢中で⋯⋯あたし達の会話なんて聞いていないみたい。


ほっとして視線を戻した。


ジユ
ジユ
ちょっとあなたっ! ホントにキムくん?
U
うん、自分で言ってたもん。 ってか、その人、そんなに有名?



あたしは、よく分からなくてポカンとする。


ジユ
ジユ
有名って⋯⋯そんなものじゃないよっ!!



ガタンと座っていたイスから立ち上がり、危機迫るような表情で怒鳴った。


ジユ氏、声が大きいです。


U
落ち着こうよ、ジユ⋯⋯そんなこと言われても、知らないもんは知らないんだもん



なだめるように頬を膨らませながら言うと、ジユはハッとした表情の後、冷静になる。


ジユ
ジユ
全校の女子が知ってる人だよ?
U
⋯⋯全校の女子じゃないじゃん。知らない女子、ここにいるし⋯⋯



自分を指す。すると。


ジユ
ジユ
黙らっしゃいっ!!



ピシャリとジユが言った。


━━━━ビクッ


怖い⋯⋯。


人差し指を立てて顔を近づけてきた彼女。


ジユ
ジユ
いい? キムテヒョンっていう人はね⋯⋯



それからしばらくの時間、ジユの"キムテヒョン"講座が続いた。




















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