翌朝、昨日とは違い⋯⋯十分に睡眠がとれたので、目を擦ることもなく、学校へ向かう。
教室に入って挨拶すると、ジユがあたしの席に近づいてきた。
ニコリと微笑む。
はぁ〜、もうカワイすぎる⋯⋯。
そのカワイさ、あたしに少しでいいから分けてください!
あたしがジユに見とれていると、ズイッと顔を近づけられ、心配そうに聞かれた。
首を傾けながら、たずねてくる。
ため息とともに告白。
ジユはもともと大きな目を、さらに大きく見開いている。
やっと思い出したのに、いきなり大声を出すからビックリした。
あたしはあわてて会話を聞かれてないか周りを見る。
クラスメートはみんな朝のおしゃべりに夢中で⋯⋯あたし達の会話なんて聞いていないみたい。
ほっとして視線を戻した。
あたしは、よく分からなくてポカンとする。
ガタンと座っていたイスから立ち上がり、危機迫るような表情で怒鳴った。
ジユ氏、声が大きいです。
なだめるように頬を膨らませながら言うと、ジユはハッとした表情の後、冷静になる。
自分を指す。すると。
ピシャリとジユが言った。
━━━━ビクッ
怖い⋯⋯。
人差し指を立てて顔を近づけてきた彼女。
それからしばらくの時間、ジユの"キムテヒョン"講座が続いた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!